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歯周病が招く口臭の恐怖 - 原因と対策を徹底解説

[2024.05.29]

歯周病が原因の口臭は治りにくく、放置すれば全身の健康にも影響が出ます。口臭の正体と歯周病の症状、そして予防法を詳しく解説。歯と口の健康を守るための記事です。

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はじめに

口臭は、誰もが一度は経験したことのある身近な問題です。しかし、原因がわからず、対策がなかなかうまくいかないという人も多いのではないでしょうか。本記事では、口臭の主な原因である歯周病について詳しく解説していきます。歯周病と口臭の関係を理解することで、効果的な予防策や対処法が見えてくるはずです。

 

歯周病とは?

歯周病は、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットに細菌が付着し、炎症を引き起こす病気です。初期症状はほとんどなく、気づかないうちに進行することが多いのが特徴です。

 

歯周病の症状

歯周病が進行すると、さまざまな症状が現れます。

  • 歯ぐきの腫れや出血
  • 歯茎からの膿の流出
  • 強い口臭
  • 歯の動揺や脱落

中でも口臭は、歯周病の重要な症状の一つです。歯周ポケットに溜まった歯垢や細菌が原因で、強烈な臭いが発生するのです。

 

歯周病の原因菌

歯周病の原因菌は、主に歯垢に付着するポーフィロモナス菌やプレボテラ菌などの嫌気性菌です。これらの細菌が増殖すると、硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物を産生し、口臭が発生します。

特に、メチルメルカプタンによる口臭は非常に強烈で、腐った玉ねぎや卵のような不快な臭いがします。歯周病の進行に伴い、この臭いが強くなっていきます。

 

歯周病の危険性

歯周病は、放置すると徐々に進行し、最終的には歯を支える組織が破壊されて歯が抜け落ちる恐れがあります。また、近年の研究で、歯周病と全身疾患のリスクが関連していることが分かってきました。

全身疾患

リスク

心疾患

1.2〜1.6倍

糖尿病

2〜3倍

1.2〜1.6倍

歯周病は全身の健康にも影響を及ぼす可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要になります。

 

歯周病による口臭の特徴

歯周病による口臭には、いくつかの特徴があります。

 

腐敗臭

歯周病菌が産生する硫化水素やメチルメルカプタンなどの化合物が原因で、強烈な腐敗臭がします。朝一番や食事後に特に気になることが多いです。

この臭いは、歯周ポケットの深さに比例して強くなる傾向にあります。歯周ポケットが深くなれば、細菌が増殖しやすい環境ができるためです。

 

持続性

歯周病による口臭は、歯磨きなどの一時的な対策では改善が難しい、持続性があります。口臭の原因となる細菌がポケット内に根強く残っているためです。

一方で、口臭が軽減する時期もあります。これは、歯周病の炎症が一時的に小康状態になっているためと考えられています。しかし、放置すれば再び悪化するので注意が必要です。

 

鼻に抜ける臭い

歯周病による口臭は、鼻に直接抜けるような臭いが特徴的です。口から出る臭いよりも気になりやすいため、他人から指摘されやすくなります。

これは、歯周ポケットから発生した揮発性硫黄化合物が直接鼻腔に到達するためと考えられています。

 

口臭と歯周病のステージ

歯周病は進行するにつれ、症状が徐々に重くなっていきます。口臭も、歯周病のステージに応じて変化していきます。

 

初期段階

この段階では、特に口臭は気になりません。歯垢が付着する程度で、軽い歯ぐきの腫れや出血がみられる程度です。

しかし、放置すれば徐々に口臭が発生するようになります。毎日の歯磨きを怠ると、口臭が生じやすくなるのがこの時期の特徴です。

 

中期段階

歯周ポケットが深くなり、細菌が繁殖しやすい環境ができると、口臭が強くなってきます。腐った食べ物のような不快な臭いが朝夕に気になるようになります。

このステージでは、専門的な歯科治療が必要になります。単なる歯磨きでは根本的な解決は難しくなっています。

 

後期段階

歯周病が重症化すると、口臭も最悪の状態になります。歯垢や膿の臭いに加え、歯が抜ける可能性もあり、口腔内の状態が悪化するためです。

この段階では、歯の喪失や全身への影響も危惧されます。徹底した歯科治療と生活習慣の改善が欠かせません。

 

歯周病と口臭の予防法

歯周病による口臭を予防するには、次のようなセルフケアが重要です。

 

正しい歯磨き

歯垢や食べカスをしっかりと除去することが、第一の予防法です。朝晩の歯磨きに加え、就寝前にも歯磨きをするのがおすすめです。

歯ブラシは柔らかめのものを選び、歯と歯ぐきの境目を重点的にブラッシングしましょう。また、歯間ブラシやデンタルフロスの併用も大切です。

 

舌苔のケア

舌の上にたまった舌苔にも、細菌が付着しています。舌苔も口臭の原因の一つなので、舌磨きや舌クリーナーを使ったケアが必要不可欠です。

舌の手入れを欠かすと、口臭改善の妨げになるでしょう。食事の前後に軽く舌を磨くのがおすすめです。

 

定期検診

上記のセルフケアに加え、定期的な歯科検診を受けることが重要です。1年に1回はかかりつけの歯医者で口腔内チェックを受け、歯石除去やクリーニングを行いましょう。

歯周病の兆候があれば、早期発見・治療することで、重症化を防げます。歯科医院の協力を得ながら、口腔内環境を整えることが大切なのです。

 

まとめ

口臭は、歯周病の重要な兆候の一つです。歯周病が進行すると、細菌が活発に活動して強烈な口臭を発生させるようになります。歯周病には様々な危険性がありますが、口臭の有無は歯周病の進行具合を知る大きな手がかりになります。

口臭に悩まされている人は、歯周病に注意を払う必要があります。日頃からの正しいブラッシングと定期的な歯科検診を心がけ、歯周病を未然に防ぐことが大切です。一度口臭が気になれば、可能な限り早期に歯科医院で診てもらいましょう。歯医者の適切な治療と自身のセルフケアによって、きれいな口腔内環境を取り戻せるはずです。

 

よくある質問

 

歯周病とはどのような病気ですか?

歯周病は、歯と歯ぐきの境目にある歯周ポケットに細菌が付着し、炎症を引き起こす病気です。初期症状はほとんどなく、気づかないうちに進行することが多いのが特徴です。歯周ポケットに溜まった歯垢や細菌が原因で口臭も発生します。

 

歯周病の危険性はどのようなものがありますか?

 

歯周病を放置すると歯を支える組織が破壊され、最終的に歯が抜け落ちる恐れがあります。また、近年の研究で歯周病と全身疾患のリスクが関連していることが分かってきました。心疾患、糖尿病、がんなどのリスクが高くなる可能性があるため、早期発見と適切な治療が重要となります。

 

歯周病による口臭にはどのような特徴がありますか?

歯周病による口臭は、強烈な腐敗臭がする特徴があります。特に朝一番や食事後に気になりやすく、歯周ポケットが深くなるほど臭いが強くなる傾向にあります。また、この口臭は持続性があり、簡単には改善しません。さらに、鼻に直接抜けるような臭いが特徴的です。

 

歯周病による口臭の予防にはどのような方法がありますか?

歯周病による口臭を予防するには、正しい歯磨き、舌苔のケア、定期的な歯科検診が重要です。朝晩の歯磨きに加え、就寝前にも歯磨きをし、デンタルフロスなどを併用することが大切です。舌苔にも細菌が付着しているため、舌磨きや舌クリーナーを使った手入れが必要不可欠です。さらに、1年に1回の定期検診を受けて早期発見と適切な治療を行うことで、重症化を防げます。

この記事を監修した人
山崎 英彦

札幌 歯周病・予防歯科 院長
歯周病治療および予防歯科を重視し、口腔の健康を目標とした治療を心がけています。

  • 日本歯周病学会指導医
  • 日本臨床歯周病学会指導医
  • 日本糖尿病学会協力歯科医
  • 日本歯周病学会認定研修施設

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