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歯を失った時の選択肢
~インプラント~
インプラント(人工歯根)による治療

インプラントとは?どのような治療法?

インプラント治療とは、歯を失った箇所に人工の歯根(インプラント)を埋入し、歯を補う治療法です。従来は、歯を失った治療法としてブリッジや入れ歯が一般的でしたが、近年はインプラント治療を希望される患者様が増えています。

歯は、目で見える部分の歯と、それを支える歯根から成り立っています。歯を失うということは、それを支えている歯根も失ってしまうということです。「インプラントと差し歯は何が違うの?」という方も少なくありませんが、差し歯は歯根が残っている状態で行う治療であり、インプラントは抜歯が必要になった時(歯根がない)に行う治療法です。

インプラント治療と従来の治療(ブリッジ、入れ歯)

歯を1本失った場合、インプラントでの治療を行わない対処として、両隣の健康な歯を削って人工の歯をかぶせます。これが、ブリッジと呼ばれる治療法です。奥に歯がない場合は、金属製のバネで入れ歯を支えます(部分入れ歯)。

噛むという行為は、想像以上に強い力を、歯とあごにかけています(奥歯1本にかかる荷重は、その人の体重にほぼ等しいと言われています)。ブリッジでは、1本あたりにかかる荷重は約1.5倍になります。削られた歯は痛みやすく、この歯がだめになってしまうと、さらに広い範囲のブリッジに作り直さなければなりません。
歯根がない部分の骨は、噛むことによって得られる刺激がないために次第に痩せていきます。また、残っている歯が移動してしまうため、ぴったり合わせて作った義歯も、使っている間に合わなくなってくるため、調整したり作り直す必要が出てきます。

インプラント治療は独立した歯を植立するため、残っている健康な歯への負担が増加することはありません。あごの骨には自然の歯と同じように刺激が伝わり、インプラントを通して力をかけることができますので、骨の変形も少なくなることが知られています。

近年、インプラント治療の技術も進歩し、歯科治療では歯の欠損における有効で自然な治療法として確立しています。残っている歯を大切にして将来に多くの歯を残したい方には、インプラント治療をおすすめしています。

従来の治療法の場合

ブリッジ

ブリッジ」とは、失った歯の両隣の歯を土台とし、橋をかけるように中心の歯を支える治療法のことです。ブリッジ治療をすることで、自分の歯に近い感覚で噛んでいただくことができるようになります。
インプラント治療のように外科を必要としません。そのため糖尿病や高血圧などの病気を持っている人や、インプラント治療がこわいと思っている方でも安心して受けることができます。
歯を安定させることができますが、健康な歯を削らなければならないのが最大の欠点です。

ブリッジについて詳細はこちら

入れ歯

部分入れ歯は、抜歯後の粘膜に人工歯のついた床を乗せて支え、残った歯に「バネ(クラスプ)」をかけて安定させるもので、欠損が1本だけの場合から、歯が1本しか残っていない場合まで対応できます。バネをかける歯を「鉤歯」といいます。ブリッジが欠損の両隣の歯(支台歯)を多く削って被せるのに対し、部分入れ歯は鉤歯を少し削るだけですむのが利点ですが、ブリッジに比べて安定性が劣る、バネやバーなどによる違和感があり、食べ物がつまりやすいなどの欠点があります。そのため、一般に部分入れ歯が選択されるのは、ブリッジで対応できないケース(連続した欠損歯が多数ある場合など)や、ブリッジが可能でも患者が「歯を削りたくない」と要望したときです。

入れ歯について詳細はこちら

インプラント治療の場合

インプラント治療とは、歯を失った箇所に人工の歯根(インプラント)を埋入し、歯を補う治療法です。インプラント治療は独立した歯を植立するため、残っている健康な歯への負担が増加することはありません。あごの骨には自然の歯と同じように刺激が伝わり、インプラントを通して力をかけることができますので、骨の変形も少なくなることが知られています。

インプラント治療の流れ

当院では、患者さんの口の中の状態はもちろん、全身の状態を把握した上で治療計画を立案します。

インプラント治療を始める前に

  • インプラント治療の前に、残存歯の治療(むし歯・歯周病)を行います。むし歯・歯周病は細菌感染が原因であるため、インプラント手術前に治療し口腔内を清潔にします。また、治療による改善が見込めない歯は抜歯する場合もあります。
  • インプラント手術前に患者さん自身がきれいに歯の手入れができるよう、歯磨き指導を行います。
  • 喫煙はインプラントおよび歯周病治療の成功率を下げるため、禁煙または節煙することが推奨されています。

すぐに治療をスタートできない場合もあります

・全身疾患により、感染しやすい、傷が治癒しにくい場合などは、インプラント治療のリスクが高まります。糖尿病など血糖値がコントロールされていない場合は、まず糖尿病の治療を行い、血糖値がコントロールされてからインプラント治療を行います。

骨量が不足している場合には、骨を増やす骨造成治療を行います

骨造成治療のタイミングは次の2種類あります。

  1. 骨量が少なくインプラントを埋入できない場合
  2. 骨量は不足しているが、インプラント埋入は可能な場合

インプラント手術と同時に足りない部分に骨を移植します。 前者では通常、骨移植をしてから4~9か月程度の治癒期間の後、インプラント手術を行います 。(使用する骨移植材料・治療部位や範囲による)
歯の欠損部にインプラントを入れるスペースが不足している場合や歯並びを治す場合には、矯正治療を先に行います。

術前診査・治療計画

  • 口の中の状態(現在困っていること、歯科治療歴等)および全身の健康状態・喫煙歴について問診を行います。
  • むし歯、歯周病、咬み合わせの診査を行います。
  • レントゲン撮影を行い、残存歯および顎の骨の状態を確認します。下顎では下歯槽神経、上顎では上顎洞の位置を確認します。
  • CTを撮影し、欠損部の骨の量・質を3次元的に分析します。また、神経・血管・上顎洞や残存歯との位置関係も3次元的に把握します。
  • 歯型を作り、それぞれの歯の形態・咬み合わせ・歯並び・欠損部の状態などを診査します。
  • これらの情報をもとに口の中全体について総合的に診断を行い、インプラントのみでなく残存歯も含めた治療計画を立てます。

インプラント手術の方法

インプラント治療では、インプラントを顎の骨に埋入する外科的手術が必要となります。

1次手術

粘膜を切開し顎骨を露出させ、器具でインプラントを埋入するための穴を開けます。インプラントを埋め込み、粘膜を元通りに合わせて縫合します。インプラントは粘膜の下に覆われている状態になります。

2次手術

埋め込んだインプラントを露出させてアバットメント(土台)を取り付けます。

2次手術は、インプラントと骨が結合するのを待ってから行います。粘膜を切開し、埋め込んだインプラントを露出させ、アバットメントを取り付けます。

インプラント周囲の粘膜が治癒したら、人工歯の型取りを行います。

2次手術は、1次手術に比べて手術の侵襲(身体的負担)は少なく、短時間で終了します。

インプラント手術の痛み・麻酔について

インプラント手術は局所麻酔をして行いますので、通常、痛みはほとんどありません。手術の緊張・不安などストレスを軽減して治療を行うために、「静脈内鎮静法」が併用される場合もあります。

手術にかかる時間・手術後の食事など

インプラント手術にかかる時間は、埋入するインプラントの本数および骨移植の有無によって異なります。埋入するインプラントの本数が多くなるほど、手術時間が長くなります。
また骨移植が必要で、その量が多いほど時間がかかります。
通常のインプラント手術には入院の必要がありません。手術後、帰宅して食事を摂ることが可能です。大きな骨移植が必要な場合は入院することもあります。

手術後に控えるべきこと

  • 飲酒・激しい運動・入浴
    血行が良くなり、治療部位から出血することがあります。
    当日はできるだけ安静にし、シャワーだけで済ませた方がよいでしょう。
  • 治療した部位で咬む
    インプラントが骨と結合するまでは、できるだけインプラントに外力がかからないようにします。
    即時荷重(手術当日にインプラントに人工歯をつけて咬ませる)という特別な場合を除き、治療部位では咬まないようにします。
    骨との結合が途中の状態で強い力がかかると、インプラントと骨が結合しない事があります。
  • 治療した部位に触れる
    舌や指で触れると、治癒が遅れたり感染することがあります。
    傷が落ち着くまでは治療部位の歯磨きは避け、歯科医師の指示に従って洗口剤によるケアを行います。
  • 手術当日のうがい
    過度にうがいをすると出血が止まらず、治癒が遅れることがあります。
  • 喫煙
    喫煙により血行が悪くなり、骨とインプラントの結合および粘膜の治癒に悪影響を及ぼします。手術前後は喫煙を控えることが推奨されます。

治癒期間について

インプラントと顎の骨が結合するまでの治癒期間は、骨の状態および全身の健康状態により異なり、2~3ヵ月程度で結合する場合もあれば、6ヵ月程度かかる場合もあります。
骨造成治療を行った場合は、治癒期間が長くなることがあります。

アバットメント・人工歯の装着

インプラントと骨が結合した後に、アバットメントと呼ばれる土台を装着します。アバットメントとは、インプラントと人工歯(被せ物)をつなぐ部品です。
アバットメントには様々な種類があり、個々の症例に適したものを選択します。
必要があれば仮歯を装着して見た目や使用感を確認し、問題なければ最終的な人工歯を装着します。

治療後の歯磨きと定期検診

インプラント治療は人工歯が装着されたら終わりというわけではありません。インプラントを健康な状態で長持ちさせるためには、インプラントおよび残存歯を清潔に保ち、定期的に検診を受け、メンテナンスを行う必要があります。
 
インプラント治療が成功しても、治療後に口の中の衛生管理ができていなければ、インプラントは感染してインプラント周囲炎になることがあります。また定期的に咬み合わせのチェックを行い、必要があれば調整を行います。

インプラント治療にかかる期間

インプラント治療にかかる期間は、症例によって異なります。
手術前には残存歯の治療を行い、必要に応じて骨造成治療や矯正治療を行うことがあります。
またインプラントが骨と結合した後、仮歯を入れて6か月程度、咬み合わせや見た目を調整することがあります。
例えば、歯が1本欠損している症例で、残存歯に問題がなく骨量が十分な場合、インプラント手術を行ってから2~3か月で型取りを行い、仮歯または最終的な人工歯の装着ができます。

治療期間・回数の目安
インプラント埋入~補綴
(骨の造成がない場合)
約4~5ヶ月
回数 約5回
インプラント埋入~補綴
(骨の造成がある場合)
約8~12ヶ月
回数 約8回


※インプラントの本数が多い場合は、さらに期間、回数はかかります

当院のインプラント治療について

綿密な検査と分析

通常の歯科レントゲン検査では骨の状態は2次元的にしか把握できないことが多く、より精密な治療の実現のためにCTレントゲン検査を必ず行います。この情報を元に3D3次元画像構築を行い、埋入治療のシュミレーション説明を行います。

サージカルガイドの使用

サージカルガイドとは、インプラント手術用のマウスピース型装置です。

ドリルを固定する穴があいているため、歯肉を大きく切り開く必要がなく、インプラントを埋入する位置や深さ、角度のズレをほぼなくすことができます。安全性への配慮に加え、インプラント治療の精度向上のため、当院ではサージカルガイドを導入しております。

日本口腔外科学会認定 口腔外科専門医による外科手術

当院では、骨を造成する手術、インプラントを埋入する一次手術は、インプラント手術の経験豊富な日本口腔外科学会認定の「口腔外科専門医」が担当します。

口腔外科の知識が必要な理由

顎の骨の中には、神経や血管、鼻腔(びくう)などの組織があり、インプラントを埋め込む治療時に診断や治療を誤ってしまうと、動脈を傷つけ、止血が困難になる、神経を傷つけ、感覚麻痺になる、鼻腔を傷つけ、蓄膿症になる などのトラブルが起きることがあります。

また、外科手術は出血を伴う治療のため、全身管理や感染症対策も重要視されます。
全身管理や感染症対策が不十分であると、インプラントが顎の骨と結合しない(抜け落ちる)、術後感染し腫れや痛みが強く出る、健康状態に支障がでる、などのトラブルの可能性があります。

インプラント治療の中で口腔外科医が担当する部分
【インプラントを埋め入れる手術】

インプラント体を顎の骨に埋め込む一次手術は、歯ぐきを切開し、顎の骨を削るなどの処置が必要です。
インプラント体を顎の骨に埋め込む際に、顎の骨を通っている血管や神経、鼻腔との距離を考慮し、埋め込む位置や角度を決めるなど口腔外科の知識が必要とされています。

【顎の骨を増やす手術】

患者さんのお口の中に適した方法でインプラントが埋め込める程度の顎の骨を造る治療では、外科的処置が多くなり、感染のリスクも高まります。また、インプラントを埋め込むための高度な技術が必要とされています。

サイナスリフト、ソケットリフト:上顎奥歯の骨の上にある粘膜(副鼻腔のシュナイダー膜)を持ち上げてスペースを作り、移植材をつめて骨を造る方法
GBR(骨誘導再生):メンブレンと呼ばれる人工膜を使って骨の再生を促す方法

自分の歯を守るためのインプラント治療

歯は一度失ってしまうと二度と再生することはありません。いくらインプラントが優れた治療法であっても、『受ける必要がないなら受けたくない』と思う方がほとんどだと思います。

当院は、歯周病専門医・指導医として、痛んでしまった歯や、他院で抜かないといけないと言われた歯でも、精密な診査を行い、抜かずに治療できないかを徹底的に考えた上で、本当に必要と診断された方だけに抜歯を受けていただくようにしています。一度歯を失いだすと、かみ合わせや失った歯の機能を補うために、他の歯まで悪くなることがあります。他の歯まで失うという負の連鎖を食い止めるためにも徹底した診査・診断、治療計画そして治療が必要です。

当院は、患者様とよく相談しご希望を聞きながら治療方針を決定しております。基本的には他に治療法がなく、止むを得ない場合にインプラント治療を提供させていただきます。

インプラントのメリット・デメリット

歯を失った時の治療法に、入れ歯・ブリッジ・インプラントがありますが、どの治療法にもメリット・デメリットがあります。メリットばかりに目がいってしまいますが、デメリットも把握したうえで治療法を選択することが大切です。
インプラント治療は、メンテナンス期も含めると患者様とは長いお付き合いとなります。患者様との信頼関係を大切に、治療について十分ご説明し、ご理解いただいてから治療を開始いたします。

インプラントのメリット

健康な歯を削る必要がない(残っている歯を守る)

インプラントは1本1本独立して埋め込みます(オールオン4を除く)。そのため、ブリッジのように隣接する健康な歯を削ったり、負担をかけたりすることはありません。インプラント治療においては、他の歯への負担を心配することはないでしょう。

入れ歯よりも咀嚼能力に優れている

総入れ歯の場合、自分の歯に比べて噛む力が大きく低下するため、噛みにくく、食事に苦労する方も少なくありません。また、熱いものを気軽に口にすることができない人も多いのです。
しかしインプラントは、自分の歯と同程度の噛む力まで回復でき、自分の歯と同じ感覚で噛めます。

骨が痩せるのを防げる

咀嚼にはさまざまな効果がありますが、骨が痩せるのを防ぐ働きもあります。しかし、歯を失って咀嚼による刺激が骨に伝わらなくなると、骨が少しずつ痩せてしまいます。インプラントは、歯だけでなく歯根も取り戻せる治療であるため、骨が痩せるのを防ぐというメリットもあります。

見た目の良い歯(人工歯)を装着できる

ブリッジ治療の場合、保険が適用になりますが、治療部位によっては金属しか保険が適用になりません。また、部分入れ歯の場合、金属のバネが目立ってしまいます。インプラントは、審美性の高い素材を使用でき、天然歯に近い審美性を回復することが可能です。

インプラントのデメリット

保険がきかない(自由診療)

インプラント治療は保険が適用となりません。保険のブリッジ・入れ歯に比べると費用が高額になってしまいます。当院では、術前カウンセリングにて、費用や支払い方法についてもご説明しています。ご自身の場合の費用について把握したうえで、治療法をご検討いただきたいと思います。

手術が必要になる

インプラント治療は、顎の骨にインプラントを埋入する手術が必要となります。麻酔により痛みなく治療を受けていただけますが、ブリッジや入れ歯に比べると、やはり体の負担は大きくなります。そのため、重度の全身疾患をお持ちの方は、内科でのコントロールを優先する場合があります。

治療期間がブリッジ等に比べ長い

インプラント治療にかかる期間は、お口の中の状態や治療部位によって異なりますが、通常4~6ヶ月かかります。埋入したインプラントが骨と強く結合するまでに期間を要するため、ブリッジや入れ歯に比べて治療期間が長くなります。

術後はメンテナンスが必要になる

インプラントは虫歯になることはありませんが、歯茎の健康を維持できるとは限りません。「インプラント周囲炎」という、歯周病のような病気になります。長期的にインプラントを機能させるには、適切なメンテナンスが必要になります。定期的に受診いただき、専門的なケアやチェックを行う必要があります。

インプラント周囲炎について

インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎とはその名が示す通り、インプラントの周囲組織で炎症が起こる病気です。歯周病と同じ細菌感染症の一種で、歯面に付着したプラーク(歯垢)が原因で起こります。

インプラントの清掃がきちんと行われていないせいで、周囲にプラークが溜まると、その中で歯周病菌が増殖しはじめます。そして、それらの細菌が作り出す毒素に対して炎症反応を起こすほか、歯槽骨が破壊されてしまうのです。

インプラント周囲炎の予防方法

インプラント周囲炎は、炎症が粘膜でとどまっている状態なら、治療によって症状が改善されますが、歯肉や歯槽骨が一度破壊されてしまうと、元の状態に戻すことはできません。そのため、予防をしっかり行なって、インプラント周囲炎を起こさないことが大切です。

インプラント周囲炎を予防する方法として、次の3つがあげられます。

  •  毎日の歯磨きの徹底
  •  リスク要因の軽減
  •  定期的なメンテナンス

 

中央のインプラント、歯ブラシが当てられない形の被せもの(補綴物)のため炎症が起こった重度のインプラント周囲炎

※掲載に関しましては、患者様の同意を得ております

 

歯磨きによるプラークコントロールのほかに、インプラント周囲炎のリスクを高める要因を少なくすることも、インプラント周囲炎の予防につながります。リスクファクターとされる歯周病・糖尿病・貧血などの症状がみられる場合は術前にしっかり処置し、喫煙などの生活習慣を見直しましょう。

また、インプラント周囲炎を予防するためには、定期的にメンテナンスを受ける必要があります。インプラントのメンテナンスでは、次のような検査や処置が行われます。

  • レントゲン検査
  • 唾液検査による細菌の繁殖状況のチェック
  • 歯肉の腫れや排膿の有無
  • インプラント体のぐらつき
  • 口腔内の清掃状態の確認
  • 歯磨き指導

インプラント周囲炎からインプラントを守るために

インプラント周囲炎とは、インプラントを支えている骨が溶けてなくなる病気です。歯周病の症状と似ています。原因はひとつには絞れませんが、多くはプラークコントロールが不十分な方に発症します。それはインプラント周囲炎を患った部位からは多くの歯周病菌が検出されるからです。

天然歯に虫歯や歯周病の予防が必要なように、インプラントを長く使い続けるためには、インプラント周囲炎の予防が欠かすことができません。日頃からプラークコントロールやリスク対策の重要性を理解し、適切に行う必要があります。インプラント周囲炎は、早期発見・早期治療によって重症化を防ぐことができるため、メンテナンスをしっかり行って、インプラントの健康を維持することが大切です。

日本ではインプラント治療を多くの一般歯科医院で行なっておりますが、欧米でのインプラント治療は歯周病専門医が行うこととされています。

当院でインプラント周囲炎を患ってしまう患者さんはゼロではありませんが、非常に少ないです。理由はインプラント治療をされた患者様のプラークコントロールのレベルが高いからだと考えています。インプラントの歯磨きは歯周病治療の際と同様、歯周病専門医のもとでトレーニングされた歯科衛生士から指導を受けなければ身に付きません。

 そのためには、歯周病を専門とする歯科医師からインプラント治療を受けることが理想と考えております。

札幌歯周病・予防歯科は歯周病専門医です。安心してインプラント治療をお受け下さい。

インプラント治療を歯周病専門医で行う意義

歯を失う1番の原因は、歯周病です。そのため、歯周病が原因で歯を失い、その後インプラント治療を考える人は多くいらっしゃいます。ですが、一度歯周病で歯を失った場所にインプラントを埋めると、また同じことを繰り返すリスクがあるため、そう簡単にいかない場合も少なくありません。

その理由として、インプラントは虫歯にはならなくても、「インプラント周囲炎」という歯周病と類似した疾患にかかることがあるからです。実際に、インプラントがダメになってしまうほとんどの原因はインプラント周囲炎です。つまり、インプラントを長持ちさせるためには、いかにインプラント周囲炎を防ぐか、もしくは、インプラント周囲炎にかかってしまった場合にいかに早く対処し食い止めるか、ということが非常に大事になってきます。

そのためには、3つの大切な事があります。

  1. インプラント治療前に他の歯の歯周病の治療をしっかりと終わらせる。
  2. インプラント治療後も定期的に歯周病を管理する。
  3. 歯周病専門医として、インプラントを検討中の方へ、ぜひ考えていただきたいこと

以上3点です。

1.インプラント治療前に他の歯の歯周病の治療をしっかりと終わらせる

歯を失う原因のトップは歯周病なので、インプラント治療を受けられる方の多くは、歯周病も患っている状態で通院されます。

歯周病は治療しない限り、歯がなくなった後も進行し続け、周囲の歯周組織に広がり、土台となる顎骨が溶けたり、他の歯が抜け落ちたりするなどの悪影響を及ぼします。

そのため歯周病をしっかりと治療しないまま、インプラントを埋入しても、定着しないだけでなく治療後にインプラントも抜け落ち、せっかくの治療が無駄になってしまいます。

ですから、まずはインプラント治療をする前に、歯周病治療を完了しておく必要があります。

インプラント治療の要となる、歯周組織の治療は、歯周病指導医・専門医の当院にお任せください。

治療中や治療後も、歯肉や顎骨など歯周組織を丁寧にチェックしながら、最適なインプラント治療が進められるよう、責任をもってサポートいたします。

2.インプラント治療後も定期的に歯周病を管理する

インプラントを長く快適にお使いいただくためには、インプラント周囲炎、インプラント以外のご自分の歯の歯周病、虫歯を予防して、口内環境を整えることが大切です。

特に歯とインプラントを支える土台である歯肉と顎の骨を守るためには、炎症の元となる歯垢を毎日しっかり除去する必要があります。

日常の歯磨きを充分に行なっていただくことももちろんですが、それだけではどうしても取り除けないこびりついた汚れは、定期的な歯科でのクリーニングで取り除いてください。

長年に渡ってインプラントを使い続けるためにも、歯周病治療と予防は大切なことです。

ご自身でのケアの仕方や気になることなど、何でもご相談ください。

3.歯周病専門医として、インプラントを検討中の方へ、ぜひ考えていただきたいこと

インプラント治療を行う際に、まずは抜歯になった原因を考えてみてください。

ある調査によると、歯を失う原因の4割が歯周病だとされています。

これにう蝕、いわゆる虫歯を加えると、歯を失う原因の70%超となります。

つまり、今ある歯周病およびむし歯の治療、予防を行わない限り、インプラント治療が繰り返しとなってしまいます。

歯周病治療、むし歯治療を徹底して行うことで、抜歯になる可能性を最小限にすることができます。

そのうえで、欠損した部分にインプラントを入れ咬む機能を向上させることにより、残っている自分の歯とインプラントが安定されていきます。

当院では治療終了時のベストな状態が、生涯長く続いていくことを目標にして予防に取り組んでいます。

インプラントの費用(税別)

治療

価格

インプラント埋入手術(1次手術)1本の場合

300,000円

インプラント埋入手術(1次手術)2本以上の場合

250,000円/本

ラジオグラフィックガイド

3,000円

骨造成(GBR)小範囲 ※1

100,000円

骨造成(GBR)大範囲 ※1

15,0000円

サイナスリフト 1歯 ※2

250,000円

サイナスリフト 2歯 ※2

300,000円

上部構造   セラミック、金属(ゴールド)

150,000円/本

上部構造   金属(パラジュウム)

100,000円/本

インプラント周囲炎歯周外科

30,000円

※1 GBR(骨誘導再生)

治療の説明

骨に厚みや高さが足りない場合に行う。歯ぐきを切開し、骨が足りない部分に自分の骨、または人工の骨を注入し、メンブレンという専用の人工膜で覆って骨の再生を促す治療法です。

治療のリスクや副作用

手術後に、痛みや腫れ、出血、合併症などを引き起こす可能性があります。個人差により、予定量の再生ができない場合は再手術が必要になる場合があります。組織が再生するまで数か月の期間がかかります。

治療のリスクや副作用

手術後に、痛みや腫れ、出血、合併症などを引き起こす可能性があります。個人差により、予定量の再生ができない場合は再手術が必要になる場合があります。組織が再生するまで数か月の期間がかかります。

※2 サイナスリフト

治療の説明

上の歯のインプラントを希望しているが、あごの骨の厚みが足りない場合に行う。上顎洞の位置(小鼻の横)の歯ぐきを横から切り開き、中に人工骨(骨補填材)や移植骨を入れて骨を増やす治療法です。

治療のリスクや副作用

手術後に、痛みや腫れ、出血、合併症などを引き起こす可能性があります。個人差により、予定量の再生ができない場合は再手術が必要になる場合があります。組織が再生するまで数か月の期間がかかります。

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