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一生健康な歯でいるために
~予防歯科・プラークコントロール~

なぜ予防歯科が大切なのか

歯が痛くなったら歯科医院に行き、治療する、この繰り返しでは、いずれ歯はなくなってしまうことはご存知でしたか? もしも、トラブルが起こる前にお口のメインテナンスで快適な環境を維持できたら。

それが札幌 歯周病・予防歯科の提案する「予防歯科」です。

当院では、歯がなくなる原因(むし歯と歯周病)に対して、「むし歯・歯周病になってから」ではなく「予防のための」取り組みが大切に考えています。予防歯科とは、むし歯や歯周病などになってからの治療ではなく、なる前の予防を大切にすることです。

歯とお口の健康を積極的に守るため、歯科医院などでの「プロフェッショナルケア」と、歯科医師や歯科衛生士の指導に基づいた毎日ご自身でおこなう「セルフケア」の両方で、「予防歯科」を実践しましょう。

「一生自分の歯でおいしく食事をする」のを目標に、口腔内の健康管理・維持のお手伝いをさせていただきます。

予防歯科のメリット

虫歯や歯周病を早期発見&未然に防げる

むし歯は初期のうちは痛くなく、自分でも気づきません。痛くなったむし歯は、かなり進行していることが多く、たとえ治療しても完治は難しく、その後の歯の持ちは悪くなります。

歯周病は、痛みを感じることなく進行し、気がついたら歯がグラグラして抜けそうになっていた、ということも珍しくありません。

予防歯科に定期的に通うことで、むし歯で痛い思いをする前に、また削る量が少ないうちに治療することができます。また歯周病の主な原因である歯石を取り除くことで、歯周病が進行しにくい状態を作り、維持することができます。つまり、早期発見できれば、虫歯の場合は小さな初期虫歯治療になり歯を削る範囲も少なくて済みます。歯周病の場合でも、歯石除去などの処置だけで改善が見込まれるでしょう。

健康な歯を長く維持し続けられる

予防の先進国である欧米諸国と比べると、80歳になった時点で残っている歯の本数が極端に少なくなっています。

日本では「8020(ハチマルニイマル)運動」という80歳になっても自分の歯を20本を残そう、という運動が行われていますが、「平成28年歯科疾患実態調査」(厚生労働省)によると、75~84歳の51.2%しか達成できていません。

 なぜ歯を20本残すことができないのか。それは、むし歯や歯周病にかかってしまうからです。 

歯は一度失うと二度と元には戻りません。むし歯治療で歯を削ることは歯の寿命を縮めます。いかに歯を削ることなく健康な状態を長く維持するかが大事です。歯を失えば失うほど食べられるものが減り、食事の楽しみは半減します。食事の楽しみはQOL(生活の質)において非常に重要な要素であることは言うまでもありません。

実際、日本人が歯を失う原因の第一位は歯周病、第二位はむし歯となっています。

そのため、予防歯科に通ってそれらの病気を予防するだけで、歯を失うリスクを大幅に減らすことができるのです。

見た目の美しさ

歯に付着する歯垢はブラッシングで除去することもできますが、除去しきれなかった歯垢は歯石となり、自分では取りきれない汚れとなって歯に残ってしまいます。

予防歯科では、ついてしまった歯石の除去も可能です。

歯垢や歯石による汚れを取り除いた見た目がきれいな歯をキープし、歯には目には見えないバイオフィルムという細菌性の汚れを取り除いた衛生的なお口を維持することができます。専用の薬品とブラシで歯を徹底的に清掃することで、歯の表面に付着した、飲食物の着色汚れが落ち、歯も明るくつややかになり、見た目も綺麗になります。

痛みに苦しむことが少なくなる

早期にむし歯を発見できることで、痛みに苦しむ前に治療を受けることができます。また小さいむし歯は治療時の痛みもほとんど感じず、麻酔を使用しないことが大半です。費用や時間も少なくて済みます。

健康寿命が延びる

超高齢社会となった日本。平均寿命は男女とも80歳を超えています。今後の大きな課題は、介護に頼らず、自分で最低限の生活ができる「健康寿命」を延ばすことです。歯の残存本数が多いほど、健康寿命が長くなることが近年の研究で明らかになってきました。

認知症のリスクを減らせる

「噛む」という刺激は脳に伝わります。歯を多く失うと噛む力が弱くなり、脳の海馬や前頭葉の容積が小さくなり老人性認知症を発症するリスクが高くなるということが分かっています。また残存本数が20本未満で、入れ歯等を入れていない高齢者は認知症のリスクが約2倍になるという研究もあります。歯をできる限り残すことは将来の生活に大きく影響します。

全身の病気を予防

むし歯や歯周病は口の中だけでなく、全身の病気の発症や進行にも影響を与えます。

病気の原因がむし歯や歯周病だけとは限りませんが、予防歯科でお口の中をきれいにすることが、全身の病気の予防につながる可能性があります。

【むし歯や歯周病が原因でかかる病気や不調の一例】
  • 心臓疾患
  • 慢性腎臓病
  • 呼吸器疾患
  • 骨粗しょう症
  • 関節リウマチ
  • がん
  • 早産や低体重児の出産、など

特に、高齢者に多い誤嚥性肺炎は、歯周病菌が肺に侵入して発症します。また、歯周病菌の毒素により動脈硬化が引き起こされ、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めます。さらに歯周病と糖尿病とは相互に悪影響を及ぼすことが分かっています。

経済的な負担が軽くなる

予防歯科の定期検診は費用の負担はあるものの、年に数回ほどです。むし歯や歯周病になると治るまでに何度も通院しないといけません。むし歯や歯周病は定期検診よりも費用と時間がかかります。

また予防歯科を行うことで、歯科だけでなく全身の病気を予防することにつながり、将来的な医療費の負担も大幅に軽くなります。

当院の予防歯科・メンテナンスの内容

1.口腔内検査

歯科医師による虫歯チェックや歯周の精密検査を行います。

必要に応じレントゲン検査を行います。

2.歯科衛生士によるブラッシングの確認、アドバイス

健康な歯を保つためには、患者様自身による日々のセルフケアを行い、しっかりと歯垢を落とすことが何よりも大切です。むし歯や歯周病は、歯垢が原因で引き起こされてしまいます。口内の細菌の数が増えてしまうあるいは免疫力が落ちて細菌に負けてしまうことにより、これらの疾患が発症します。日々のブラッシング方法を工夫することによって、細菌の数を減らすこと=プラークコントロールができます。歯科衛生士が適切な歯磨剤・歯ブラシの選択や正しい歯磨き方法をていねいにアドバイスをさせていただきます。

3.スケーリング(歯石除去)

歯周病の原因である歯石を専用の器具を使って取っていきます。1回で全て取ることが難しい場合は、2.3回に分け処置させていただくこともあります。

4.PMTC((プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)機械的歯面清掃)

歯石除去後、専用の器具を用いて歯磨きで落とすことのできないバイオフィルム(細菌の塊)を除去します。ツヤのある滑らかな歯の表面に仕上げるので、再度汚れが付着しづらくなります。

PMTCとは、専門の機器を用いて、虫歯や歯周病の原因となる歯の表面についた「バイオフィルム」や歯垢、歯石を徹底的に除去する、本格的なクリーニング法のことを言います。通常のクリーニングよりも歯の表面をきれいに研磨し虫歯菌や歯周病菌を付着しにくくすることができます。PMTCを続けていただくことで、高い確率で虫歯や歯周病を防ぐことができます。また歯の表面の着色を除去することで、歯の色を自然な色に保つ効果も期待できます。

定期的にPMTCを受けたグループと受けなかったグループを比較すると、 ~受けなかったグループが20年間で約70倍虫歯になった~ という研究結果もあります。

歯を削ったりしないので痛みはほぼありません。 ~歯の表面のバイオフィルムは約3ヵ月で再生する~ と言われていますので、それに合わせ定期的に行うことをおすすめしています。

5.エアーフロー、着色の除去

歯の表面だけではなく付着したプラーク、バイオフィルムなど、スケーリングなどでは落とせない着色や細かい部分の汚れをジェット水流とパウダーにてすみずみまで落とします。

6.SRP (歯周病が進行されている場合に追加させていただく場合もございます)

歯周病の原因となっている歯肉の中深くにある歯石を、専用器具を用いて除去します。お痛みが出る可能性もあるので麻酔を使わせていただく場合もあります。お口の中を大きくブロックごとに分けてていねいに処置していくため、処置終了までに数回かかる場合もあります。

7.歯周ポケットが深い場合には、ポケット内に抗生剤軟膏の局所塗布を行います

歯周ポケット内部への抗菌剤の使用(局所薬物配送療法LDDS)を行います

歯周ポケット内部に2%塩酸ミノサイクリンという抗性物質を直接注入し、除菌を行う方法です。

  • 経口投与に比べて直接ポケット内に入れるため少量の薬剤ですむ
  • 耐性菌の出現、薬の副作用や腸内細菌への影響がきわめて少ない
  • 薬を塗る際、痛みや刺激は特にない

という利点があります。

ミノサイクリンアレルギーのある方以外、どなたさまも安心して治療を受けられる治療です。

8.歯周ポケットが深い場合には、歯科用レーザーによる光殺菌治療を行います

光殺菌治療とは、感染部分に光感受性物質を注入し、光を照射することで殺菌する安全な治療法です。

  • 痛みがない
  • あらゆる細菌に効果がある
  • お薬(抗生物質)を使わないため耐性菌が発生しない
  • 副作用はなく、 繰り返して治療に利用できる

といった利点があります。

光過敏症のある方以外、どなたさまも安心して治療を受けられる治療です。

9. 歯科医院専用フッ素塗布

歯の表面に高濃度のフッ素を塗布することで、虫歯を予防することができます。

フッ素には以下の効果があります。

3つの働きで、ムシ歯の発生と進行を防ぎます。

エナメル質の修復を促進

酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補うこと(再石灰化)を促進します。

歯の質を強化

歯の表面を覆うエナメル質を、酸に溶けにくい性質に変え、ムシ歯への抵抗力を高めます。

菌の働きを弱める

ムシ歯を引き起こす細菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑えます。

虫歯菌の活動を抑えて、歯を溶かす酸が発生するのを防ぐ。
フッ素の塗布は乳幼児や子供の虫歯予防にも効果的です。最近では加齢によって見えてきた歯の根本の虫歯の予防にも効果的だといわれています。

年3~4回は行うことが理想です。

10. 次回のご予約

年齢やお口の健康状態によって変わりますが、年に3~4回の定期検診・メンテナンスをお勧めします。人によっては月に1回程度必要な方もいます。歯科医院へは"歯が痛いときだけ行けばいい"ということでは決してありません。メンテナンスは予防にとても重要なのです。

理想は3か月に一度

後述する例外を除くと、大多数の方は3カ月に一度の検診を受けるのが理想です。なぜなら、歯磨きや歯間ブラシを使用していくら丁寧に歯を磨いても、完全に歯垢を落とすことはできないからです。歯垢は同じ場所に溜まり、虫歯や歯周病の原因となります。歯周ポケットは特に歯垢が溜まりやすく、深くなるとセルフケアが困難になってしまいます。

また、落としきれなかった歯垢は、時間が経つと歯石へと変化して、歯ブラシでは取れなくなってしまいます。日々の生活の中で、歯石はどうしても増えてしまいますので、定期的にPMTCを受けて歯垢や歯石を取り除きましょう。口内の健康を維持できますし、定期的に口内を観察することで、虫歯や歯周病などの口内の異変の早期発見にも繋がります。

虫歯になりにくい人は半年に一度でOK

歯周ポケットが浅く歯周病にかかっている心配の無い方、もしくは歯医者さんでの虫歯治療をほとんど経験したことの無い方は、上手にセルフケアができていると言えます。

しかし、歯周病は痛みなどの自覚症状をほぼ感じることなく進行してしまうので、お口の健康状態のチェックの意味合いも込めて、半年に一度検診を受けるといいでしょう。セルフケアで落としきれない部分の汚れは虫歯になりやすいので、虫歯予防にも有効です。

毎月行ったほうが良い人もいる

毎月PMTCを行った方が良い方は、何かしらの理由でセルフケアが上手にできない方です。歯磨きが上手でなかったり、不十分だったりすると口内に歯垢が残り、細菌も増えてやがては歯石に変化します。

虫歯になりやすく、頻繁に歯科で虫歯治療を行っている方も同様です。また、歯周病が進行してしまい、歯周ポケットが4mm以上深くなっている方は、セルフケアでは歯垢を除去できませんので、これ以上症状を悪化させないためにも毎月PMTCを行いましょう。

歯茎の再生療法を受けている方や、他の病気が原因で免疫力が低下し、歯周病の悪化に繋がる可能性のある方も同様です。これらの状態に当てはまる方は、こまめに歯垢を除去することで細菌の増加を阻止することができるので、毎月PMTCを受けることをおすすめします。

費用について

保険診療による予防歯科・メンテナンスは、治療の内容に制約があったり、通院回数が増えてしまう、時間の制約など様々なデメリットがあります。当院が行っている上記の予防歯科・メンテナンスの内容の中には現行の保険制度では行えない治療も含まれています。エビデンスとして効果が認められている先端医療であっても今の保険制度では行えないのが現状です。一方で自費の予防歯科・メンテナンスには制限がありません。さまざまな種類の効果が認められた治療法が用意されており、ご希望であればどなたでも受けられます。歯石やプラークの除去に加え、着色を落とす、歯周病予防、むし歯予防の効果がある方法をいち早く取り入れられる大きなメリットがあります。
このため、当院では、より質の高い予防歯科を実現するために、自費による予防・メンテナンスをおすすめしております。

もちろん、検査で歯周病やむし歯が認められた場合は保険診療が可能です。

歯周病がない、
むし歯治療の経験がほとんどない方

治療時間

45分

メンテナンスの期間

4~6ヶ月

費用

8000円

軽度の歯周病のメンテナンス、
数か所のむし歯治療の経験ありの方

治療時間

45分~60分

メンテナンスの期間

3~4ヶ月

費用

10000円

中度の歯周病のメンテナンス、
数か所のむし歯治療の経験ありの方

治療時間

60分

メンテナンスの期間

3ヶ月

費用

10000円

中度から重度の歯周病のメンテナンス、
多数のむし歯治療の経験あり、

歯周病専門外来を受けている方、
インプラント治療の方

治療時間

60分~80分

メンテナンスの期間

1~2ヶ月

費用

10000円

レントゲン検査
2~3年に1回  

2000円

まとめ

70才の残存歯数の違い

※Hugoson Anders,Koch Goran:Thirty year trends in the prevalence and distribution of dental caries in Swedish adults (1973-2003)., Swedish dental journal, 2008

※厚生労働省:平成17年度歯科疾患実態調査, 2005(無歯顎者を除く)

予防歯科は、重大な口内のトラブルを未然に防ぎ、お口の健康を生涯に渡って維持する非常に有効な手段です。予防歯科先進国のスウェーデンでは、なんと70歳時点で平均21本もの歯が残っているという実績もあります。

日本では、平均約16本程度なので、予防歯科がいかに効果的であるかが分かります。是非とも予防歯科を活用して、大切なお口の健康をお守りください。

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