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【サイナスリフト手術】必要性と費用を解説。インプラント治療前に知っておきたい骨造成術

[2024.06.15]

 

歯並びが悪かったり、歯が無くなったりした場合、インプラント治療の前に骨を造成するサイナスリフト手術が必要になります。手術の流れや費用、メリットデメリットを詳しく解説。歯の健康と機能の回復を目指す方に役立つ情報が満載です。

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はじめに

あなたの口腔内にインプラント治療が必要な場合、サイナスリフトという手術が必要になる可能性があります。この手術は、上顎の骨が薄く、インプラントを安全に埋め込むことが難しい場合に行われます。サイナスリフトの詳細、手術の流れ、費用、メリット・デメリットについて、このブログで詳しく解説しています。歯の健康と機能の回復を目指す方におすすめの情報となっています。

 

1.サイナスリフトとは

  サイナスリフトは、インプラント治療における骨造成手術の一種であり、上顎の骨が薄くなっている場合に行われます。この治療法は、歯の代わりになる人工の歯根をあごの骨に埋め込む方法ですが、骨の量が不足しているとインプラントを固定することが難しくなります。そこで、サイナスリフトを行うことで骨の量を増やし、インプラント治療を実施することが可能となります。

サイナスリフトの概要

サイナスリフトは、主に上顎の奥歯部分で骨の厚みが不足している場合に実施される手術です。この手術では、上顎骨の「上顎洞底部」に人工骨や自家骨を追加することで、骨の厚みを増やします。これにより、安定したインプラントの埋め込みが可能となります。特に抜歯後の経過時間が経過した状態では、上顎骨の厚みが不足していることが多いです。サイナスリフトは、骨の厚みが5mm未満であるか、広範囲の骨欠損がある場合に適用されます。

2.サイナスリフト手術の流れ

サイナスリフト手術は、以下の手順で行います。

  1. 上顎の歯肉の側面を切開します。
  2. 切開箇所から歯槽骨を切り抜き、上顎洞内部の「シュナイダー膜」と呼ばれる粘膜を丁寧に剥離します。
  3. シュナイダー膜を剥がした後、骨の欠損部に人工骨や自家骨を埋め込みます。
  4. 移植した骨が安定したら、インプラント治療を行います。
  5. サイナスリフト手術の流れ

 

サイナスリフト手術は、インプラント治療を行う際に、骨量不足の場合に行われる手術です。この手術の流れは以下の通りです。

麻酔と穴の開け方

まず、患者さんに局所麻酔を施します。これにより、手術中の痛みを最小限に抑えることができます。麻酔が効いた後、歯ぐきに小さな穴を開けます。

上顎洞へのアクセスと骨補填材の充填

穴を開けた後は、上顎洞へのアクセスのために上顎洞粘膜を慎重に取り扱います。骨補填材を使い、骨の再生を促進します。

一定期間の待機とインプラント埋入

骨補填材が充填された後、骨の回復を待つ必要があります。これにはおよそ3〜6ヶ月の期間がかかります。骨の固まり具合を確認するために、この待機期間は重要です。骨が固まったら、インプラントを埋入することができます。

インプラントに人工歯を取り付ける

インプラントが顎骨にしっかりと結合したら、人工歯を取り付けます。この人工歯は、自然な感覚で咬むことができるものです。これがインプラント治療の最終段階となります。

以上が一般的なサイナスリフト手術の流れです。手術時間や回復期間は、個人や治療計画によって異なります。詳細な情報は、歯科医院で相談することをおすすめします。

3.サイナスリフトにかかる費用

 

サイナスリフト手術の費用は、様々な要素によって異なります。具体的には、以下のような要素が価格に影響を与えます。

  1. 手術の難易度
  2. 必要な骨補填材の種類
  3. 治療範囲

一般的には、サイナスリフト手術の費用の相場は25万円から30万円程度ですが、クリニックによってはこれよりも高額になる場合もあります。

また、サイナスリフト手術の費用には、インプラント治療費が含まれることもあります。インプラント治療自体が高額なため、サイナスリフトを含めたトータルの治療費が発生する場合もあります。

さらに、費用には税金も加算されますので、実際の支払額は税込みで考える必要があります。

支払い方法と費用プラン

治療費は一括で支払う場合もあれば、分割で支払う場合もあります。クリニックによっては、トータルフィー制度を導入しており、サイナスリフトを含めた全ての治療費を一括で支払うことができる場合もあります。

具体的な内訳や支払い方法については、事前に歯科医院と相談することがおすすめです。自分に合った費用プランや支払い方法を選択することで、費用面の不安を軽減することができます。

保険適用外の自由診療の場合

一部の歯科クリニックでは、サイナスリフト手術が保険適用外の自由診療として行われています。この場合、公的医療保険は適用されず、全て自己負担となります。手術で使用される骨補填材の高価さや術者の高度な技術などが、費用が高額になる要因となります。

最終的な費用は、症例や治療内容によって異なるため、クリニックでの相談が重要です。自分の状態や希望に合わせて最適な治療プランを提案してもらい、予算内で治療を進めることが大切です。

 

4.サイナスリフトのメリット

 

サイナスリフト手術には、以下のようなメリットがあります。

  1. 骨が薄くてもインプラント治療が可能

通常、上顎の骨が薄い場合や多数の歯が欠損している場合、骨移植とインプラント埋入を同時に行うことは難しいです。しかし、サイナスリフト手術を行うことで、骨移植を行い、骨が十分に成長した後にインプラント治療を行うことが可能です。骨が薄い状態でも、サイナスリフトによってインプラント治療ができる可能性が高まります。

  1. 複数のインプラントが埋め込める

サイナスリフト手術を行うことで、上顎奥歯の部位に複数本のインプラントを埋め込むことができます。これにより、咬合力や噛み心地の向上だけでなく、インプラントの寿命を延ばすことができるかもしれません。また、インプラントの本数が増えることで、歯の種類やデザインの選択肢も広がります。

これらが、サイナスリフト手術の主なメリットです。サイナスリフトを検討する際には、自身の状態や治療目標との兼ね合いを考慮し、適切な選択をすることが大切です。

 

5.サイナスリフトのデメリット

 

サイナスリフトにはいくつかのデメリットがあります。

  1. 手術範囲が広いため痛みや腫れが生じる可能性がある

サイナスリフトは手術範囲が広いため、痛みや腫れが生じる可能性があります。歯ぐきの切開や骨切りが必要となるため、手術後には痛みや腫れを感じることがあります。

  1. 費用が高額である

サイナスリフトは高度な技術を必要とし、使用される骨補填材も高価です。そのため、治療費が高額になることがあります。一般的な相場は200,000円〜400,000円程度です。ただし、インプラント治療のトータルフィー制度においては、サイナスリフトの費用がインプラント治療費に含まれることもあります。ですが、インプラント治療自体が高額であるため、サイナスリフトを行う際には、費用と支払い方法を事前に確認することが重要です。

  1. 骨が作られるまでに時間がかかる

サイナスリフトでは、骨移植とインプラントの埋入が必要ですので、トータルの治療期間は通常6〜9ヶ月かかります。移植された骨がしっかりと固まるまでには3〜6ヶ月の待ち時間が必要であり、それからインプラントの埋入手術が行われます。インプラントを早く埋めたい場合には、治療期間が長く感じられるかもしれません。しかし、この期間は骨の形成と結合を促進するために必要であり、手術後の成功率を高めるために重要です。

以上がサイナスリフトのデメリットの概要です。手術範囲の広さ、費用の高さ、治療期間の長さは考慮すべき要素です。ただし、これらのデメリットはサイナスリフトのメリットとトレードオフの関係になります。具体的な治療方法やリスクについては、歯科医院との相談を通じて確認してください。

 

まとめ

サイナスリフトは、上顎の骨が不足している場合に行われる重要な手術です。手術を受けることで、骨の量を増やし、安定したインプラント治療が可能になります。費用は高めですが、手術によるメリットは大きく、欠損した歯を機能的に再建できるというメリットがあります。ただし、手術範囲が広いため痛みや腫れが生じる可能性や、長期的な治療期間が必要となるデメリットもあるため、自身の状態と治療目標に合わせて十分に検討する必要があります。サイナスリフトについて詳しく知りたい方は、専門の歯科医院に相談することをおすすめします。

 

よくある質問

サイナスリフトはどのような手術ですか?

サイナスリフトは、上顎の骨が薄い場合にインプラント治療を可能にするための骨造成手術です。上顎洞底部に人工骨や自家骨を追加することで骨の厚みを増やし、安定したインプラントの埋め込みを実現します。

サイナスリフトの手術の流れはどのようになっていますか?

サイナスリフト手術は、局所麻酔下で行われます。まず歯茎に穴を開け、上顎洞粘膜を慎重に扱います。その後、骨補填材を充填し、約3〜6ヶ月の待機期間を経てインプラントを埋入します。最後に人工歯を取り付けます。

サイナスリフトにはどのくらいの費用がかかりますか?

サイナスリフトは自由診療のため、病院によって費用が異なりますが、一般的には25万円から30万円程度とされています。ただし、インプラント治療費も別途必要となるため、総額はより高くなる可能性があります。

サイナスリフトにはメリットやデメリットがありますか?

メリットとしては、骨が薄くてもインプラント治療が可能になること、複数のインプラントが埋められることが挙げられます。一方、デメリットには手術範囲が広いため痛みや腫れが生じる可能性、高額な費用、長期間の治療期間などがあります。

この記事を監修した人
山崎 英彦

札幌 歯周病・予防歯科 院長
歯周病治療および予防歯科を重視し、口腔の健康を目標とした治療を心がけています。

  • 日本歯周病学会指導医
  • 日本臨床歯周病学会指導医
  • 日本糖尿病学会協力歯科医
  • 日本歯周病学会認定研修施設

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