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【歯ぎしりと歯周病の危険な関係】 口腔内の健康を守る対策方法

[2024.06.17]

 

歯ぎしりは歯や歯周病の原因となります。本ブログでは、歯ぎしりが歯や全身に与える影響から症状の改善法まで、口腔内の健康を守るための詳しい情報を解説しています。歯ぎしり対策を怠らずに健康な歯と口腔内環境を維持しましょう。

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はじめに

歯ぎしりは、多くの人が経験する習癖ですが、放置すると歯や歯茎への悪影響が心配されます。このブログでは、歯ぎしりと歯周病の関係から始まり、症状と原因、歯や全身への影響、対処法までを詳しく解説していきます。歯ぎしりによるトラブルを未然に防ぎ、健康な口腔内を維持するための知識を得ることができるでしょう。

  1. 歯ぎしりと歯周病の関係

 

歯ぎしりと歯周病は密接な関係があります。歯周病は、歯を支える顎の骨が溶ける感染症であり、歯周病においても歯ぎしりが進行を早める要因となることがわかっています。

歯周病は通常、歯周病菌によって起こりますが、食いしばりや歯ぎしりも悪化させる可能性があります。具体的には、歯に加えられる過剰な力や咀嚼の異常な摩擦が、さまざまな疾患の原因となり得ます。

特に、噛み合わせの異常や過大な咬合力が長期間続く場合には、歯ぐきや骨に破壊の影響を与える可能性があります。咬む力が強すぎると、歯肉や骨に損傷を引き起こし、マウスピースなどの装着による力のバランス調整が必要になることもあります。

歯ぎしりや食いしばりは、歯周病の進行に寄与する要因の一つです。噛み合わせの異常や歯ぎしりによる過大な咬合力が長期間継続すると、歯の揺さぶりや周囲の歯ぐきや骨への影響が現れます。

歯周病の進行を予防するためには、歯ぎしりや食いしばりを抑えることが重要です。ストレスや疲労が蓄積した時には、十分な休息を取ることや、ストレス発散を心がけましょう。また、歯ぎしりが改善しない場合は、マウスピースの使用なども検討することが有効です。

まとめると、歯ぎしりと歯周病は密接に関連しており、噛み合わせの異常や歯ぎしりによる過大な咬合力が歯周病の進行を早める可能性があります。歯周病を予防するためには、歯ぎしりや食いしばりを抑えることが重要です。

  1. 歯ぎしりの症状と原因

 

 

 

歯ぎしりによる症状と、その原因について説明します。

歯ぎしりの症状

歯ぎしりによる症状は以下の通りです:

  • 歯の咀嚼面が擦り減り、平らになることがあります。
  • 歯に亀裂が入る可能性があります。
  • 歯ぐきに近い部分が削られ、しみることがあります。
  • 咬合時に上の歯が動揺することがあります。
  • 下顎の内側(舌側)に硬い隆起ができることがあります(骨隆起)。
  • 上顎の中央部分にも硬い隆起が生じる場合があります(骨隆起)。
  • 歯がかみ合う頬の裏側の粘膜に白い筋が現れることがあります(歯型の圧痕)。
  • 舌の側縁には歯型の圧痕が見られることがあります。
  • 顎の関節が痛む場合や、大きく口を開けると痛みを感じることがあります。

これらの症状が現れた場合、歯ぎしりやくいしばりの可能性が高いと考えられます。

歯ぎしりの原因

歯ぎしりやくいしばりの明確な原因はまだ解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています:

  • ストレス: ストレスは歯ぎしりやくいしばりを引き起こす原因となります。睡眠中の歯ぎしりやくいしばりはストレスと関連していると報告されています。
  • 遺伝的な要因: 歯ぎしりやくいしばりは遺伝的な要因によって引き起こされることもあります。
  • アルコールの摂取: アルコールの摂取が歯ぎしりやくいしばりの誘発要因とされています。
  • 薬の副作用: 一部の薬物は咬筋の緊張や筋力の低下を引き起こし、歯ぎしりやくいしばりを促すことがあります。

歯ぎしりやくいしばりの原因を特定することは難しいですが、ストレスや遺伝的な要因に注意し、リラックス法やストレス管理などの対策を行うことで症状の改善が期待されます。

 

  1. 歯ぐきや歯への影響

 

歯ぎしりやくいしばりは、歯への負担以外にも、歯ぐきや歯周組織にも悪影響を及ぼします。以下に、歯ぐきや歯への影響についてまとめました。

歯ぐきの健康への影響

歯ぎしりやくいしばりによって強い力がかかり続けると、歯ぐきに炎症が生じる場合があります。歯ぐきは歯を支える重要な組織であり、その炎症は歯周病の初期段階です。歯ぐきの炎症によって出血が起こることもあります。

歯ぐきからの出血は歯磨きや食事中に気付くことがありますが、歯ぎしりやくいしばりによる出血にも注意が必要です。

歯の健康への影響

長期間にわたって無意識に歯ぎしりを続けると、歯に負担がかかります。歯ぎしりによって歯の表面組織であるエナメル質が削れたり、割れたりすることがあります。これによって歯が脆くなり、知覚過敏の症状が生じる場合もあります。

知覚過敏とは、冷たいものや温かいもの、酸味や甘味が強いもので歯がしみる症状です。

歯周組織への影響

歯ぎしりやくいしばりは、歯だけでなく、歯を支える歯周組織(歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨)にも影響を与えます。歯ぐきは歯周病の初期症状とも言える炎症が生じやすい場所であり、歯ぎしりの力は歯周組織に大きな負担をかけます。

既に歯周病に罹患している場合でも、歯ぎしりによって炎症が悪化することがあります。歯周病は歯ぐきの出血や腫れだけでなく、歯を失ったり全身の病気と関連づけられる疾患であり、歯ぎしりの影響は無視できません。

咬耗(こうもう)

咬耗とは、歯ぎしりやくいしばりによって歯の表面であるエナメル質がすり減る現象です。エナメル質が減ると、その下にある象牙質が外部にさらされ、知覚過敏の症状が現れることがあります。咬耗が進行すると、神経が見えることもあります。

咬耗は歯ぎしりによって生じる問題の一つであり、歯ぐきや歯を支える組織にも影響を及ぼす可能性があります。

以上が、歯ぎしりやくいしばりが歯ぐきや歯に与える影響の一部です。過度な力がかかり続けると、歯ぐきの炎症や出血、歯の削れや割れ、歯周病の悪化、咬耗などの問題が生じる可能性があります。歯ぎしりやくいしばりに気付いた場合は、早めに歯科医院を受診し、適切な対策をとることが重要です。

  1. 全身への影響

 

歯ぎしりや食いしばりは、歯だけでなく全身にも影響を及ぼします。以下では、歯ぎしりが全身にもたらす影響について詳しく説明します。

頭痛と肩こり

歯ぎしりや長時間の食いしばりは、顎の関節や周囲の筋肉、肩・首・頭の筋肉を疲労させます。この筋肉の疲労は頭痛や肩こりを引き起こす可能性があります。

顎関節症

顎関節症は、口を開ける際に痛みや制限、カクカク音の症状が現れる状態です。歯ぎしりや噛み合わせの問題が原因となることもあります。

咬筋(噛む筋肉)の肥大

歯ぎしりによる咬筋(噛む筋肉)の過度な活動は、筋肉の肥大化を引き起こすことがあります。咬筋が肥大すると、顔の印象がエラが出たようになることがあります。

これらの全身への影響は、歯の異常が現れるまで気付きにくい場合もあります。定期的な歯科健診を受けることが重要です。また、歯周病と肥満の関係にも言及したいと思います。

  1. 歯ぎしりへの対処法

 

歯ぎしりを解消するためには、いくつかの対処法があります。以下にその方法を紹介します。

マウスピースの使用

マウスピースは、歯ぎしりの衝撃を緩和し、歯や顎にかかる負担を軽減する効果があります。睡眠時にマウスピースを装着することで、歯ぎしりによるダメージを防ぐことができます。マウスピースは歯科医院で作成され、個々の歯の形に合わせて作られます。

ストレス解消

歯ぎしりはストレスや緊張が原因とされています。ストレスをためないように心がけることが重要です。以下は、ストレス解消のための方法です。 - 適度な運動やストレッチ - 音楽鑑賞 - お風呂にゆったり入る

これらのリラックスするための時間を作ることが有効です。また、睡眠前にリラックスできる環境を整えることも大切です。適切な休息をとることで、ストレスを軽減し、歯ぎしりを緩和することができます。

噛み合わせの調整

歯ぎしりの原因となる噛み合わせの乱れを改善するために、以下の治療方法があります。 - 歯の詰め物や被せ物の修正 - 矯正治療

これらの治療により、噛み合わせが正常になることで、歯ぎしりが改善されるだけでなく、歯の健康状態も改善することが期待できます。

ボトックス注射の利用

ボトックス注射は、歯ぎしりの負荷を軽減する効果があります。下顎の筋肉にボトックスを注入することで、筋肉の動きを抑えることができます。ボトックス注射は定期的な施術が必要ですが、効果は長期間持続します。(当院では行っておりません)

 

これらの対処法を組み合わせることで、歯ぎしりを軽減することができます。ただし、症状の改善には個人差がありますので、かかりつけの歯科医院で相談し、最適な治療方法を選ぶことが重要です。また、日常生活でのストレスの管理やリラックス法の取り入れも歯ぎしりの対策に役立ちます。

 

まとめ

歯ぎしりは歯周病の進行を早めるだけでなく、全身に様々な悪影響を及ぼすことがわかりました。しかし、マウスピースの使用、ストレス管理、噛み合わせの調整、ボトックス注射などの対処法により、歯ぎしりを改善できることがわかりました。歯ぎしりの問題を放置せず、かかりつけの歯科医と相談しながら、適切な治療を受けることが重要です。日常生活でもストレス解消に努め、歯の健康を守ることが肝心です。

 

よくある質問

歯ぎしりと歯周病はどのように関係しているのですか?

歯ぎしりは歯周病の進行を加速させる可能性があります。過度な咬合圧が長期間続くと、歯ぐきや骨に損傷を与え、歯周病のリスクを高めます。一方、既に歯周病に罹患していても、歯ぎしりによって症状が悪化することがあります。歯周病の予防には、歯ぎしりやくいしばりの抑制が重要です。

歯ぎしりの症状にはどのようなものがありますか?

歯ぎしりの主な症状には、歯の咀嚼面の平坦化、歯の亀裂、歯ぐきの炎症や出血、顎関節痛などが挙げられます。また、顔の筋肉の肥大や舌の圧痕など、全身にも影響が現れることがあります。これらの症状が見られた場合は、歯ぎしりの可能性があります。

歯ぎしりは全身にどのような影響を及ぼしますか?

歯ぎしりは頭痛や肩こり、顎関節症といった症状を引き起こす可能性があります。また、咬筋の肥大により、顔の印象が変化することもあります。歯の健康への影響だけでなく、全身的な問題を引き起こすことから、早期の対応が重要です。

歯ぎしりにはどのような対処法がありますか?

歯ぎしりに対する主な対処法には、マウスピースの使用、ストレス解消、噛み合わせの調整、ボトックス注射などがあります。個人差があるため、歯科医と相談しながら、最適な治療方法を選ぶことが重要です。また、日常的なストレス管理やリラックス法も有効です。

この記事を監修した人
山崎 英彦

札幌 歯周病・予防歯科 院長
歯周病治療および予防歯科を重視し、口腔の健康を目標とした治療を心がけています。

  • 日本歯周病学会指導医
  • 日本臨床歯周病学会指導医
  • 日本糖尿病学会協力歯科医
  • 日本歯周病学会認定研修施設

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