メニュー

歯周病に手術なし? 非外科的歯周治療の驚くべき効果と利点

[2024.05.27]

歯周病治療において注目の非外科的歯周治療。手術を伴わない低侵襲で費用対効果が高い治療法の仕組み、利点、注意点を徹底解説。歯科医療の最新トレンドを確認します。

surprising-benefits-and-advantages-of-non-surgical-periodontal-therapy

はじめに

歯周病は、多くの人々に影響を与える代表的な口腔内疾患です。従来、歯周外科治療が主流でしたが、近年では非外科的歯周治療の重要性が高まっています。本日は、非外科的歯周治療について詳しく解説します。歯周病の予防と治療に役立つ情報が満載ですので、ぜひご一読ください。

 

非外科的歯周治療とは

非外科的歯周治療とは、手術を伴わずに歯周病を治療する方法のことを指します。主な治療手段としては、次のようなものがあげられます。

 

プラークコントロール

歯周病の原因となるプラークやその他の細菌性沈着物を除去することが、非外科的歯周治療の基本となります。定期的な歯石除去と、患者自身による適切な口腔清掃が不可欠です。

プラークコントロールには、手用スケーラーや超音波スケーラーなどの器具を用いたプロフェッショナルケアと、患者自身によるセルフケア(ブラッシング、デンタルフロス、歯間ブラシなど)の両方が重要です。良好なプラークコントロールは、歯周病の進行を抑え、治療効果を高めます。

 

スケーリングとルートプレーニング

スケーリングとは、歯肉縁上や歯周ポケット内の歯石や細菌性沈着物を機械的に除去する処置です。一方、ルートプレーニングは、さらに歯根面の汚れを取り除き、滑沢な面を作り出す処置を指します。

歯肉縁下の汚れを徹底的に除去することで、歯肉の炎症を改善し、歯周組織の状態を良好に保つことができます。スケーリングやルートプレーニングは、熟練した歯科医師や歯科衛生士によって行われます。

 

抗菌療法

場合によっては、抗菌剤の全身投与や局所投与が行われます。これは、難治性の細菌性感染に対処するためです。薬剤の選択は、必要に応じて細菌培養検査の結果に基づいて行われます。

抗菌療法は、スケーリングやルートプレーニングと併せて行うことで、さらに高い治療効果が期待できます。一方で、副作用にも注意が必要です。

 

非外科的歯周治療の利点

非外科的歯周治療には、次のような利点があります。

 

低侵襲

手術を伴わないため、患者への負担が比較的小さくなります。術後の回復期間も短く、痛みや腫れなどのリスクも低減されます。

また、抗凝固療法を受けている患者や、全身状態が手術に適さない患者にとっても、比較的安全な治療法となります。

 

費用対効果が高い

一般に、非外科的歯周治療の方が歯周外科治療よりも費用が抑えられます。医療費の負担が少なく、多くの患者に受け入れられやすい治療法です。

さらに、適切な非外科的歯周治療を行えば、手術を回避できる可能性もあります。その場合、さらなるコスト削減につながります。

 

適用範囲が広い

非外科的歯周治療は、軽症から重症の歯周病に対して適用できる汎用性の高い治療法です。症状に応じて、様々な方法を組み合わせることができます。

一方で、歯周外科治療は重症例に限られる傾向があり、適用範囲が狭くなります。そのため、非外科的歯周治療を第一選択肢とすることが多いのです。

 

非外科的歯周治療の注意点

非外科的歯周治療には、次のような注意点もあります。

 

再発のリスク

非外科的歯周治療では、深い歯周ポケットの完全な除去が難しい場合があります。そのため、細菌が残存し、再発のリスクが高まる可能性があります。

このリスクを最小限に抑えるためには、患者自身による継続的な口腔ケアが欠かせません。定期的な歯科受診も重要です。

 

高度な技術が必要

器具の適切な選択と操作には、高度な技術が求められます。歯科医師や歯科衛生士は、長年の訓練を経てこの技術を身につける必要があります。

不適切な技術では、歯根面の損傷や不十分なデブライドメントなど、望ましくない結果につながる危険性があります。

 

患者の協力が不可欠

非外科的歯周治療の成功には、患者自身の協力が欠かせません。プロフェッショナルケアに加えて、患者自身によるブラッシングやフロッシングなどのセルフケアが求められます。

患者への十分な口腔衛生指導と、モチベーションの維持が重要となってきます。患者とのコミュニケーションを大切にする必要があります。

 

まとめ

非外科的歯周治療は、手術を伴わない低侵襲な治療法として注目されています。プラークコントロール、スケーリング・ルートプレーニング、抗菌療法などを組み合わせることで、歯周病の改善が期待できます。

一方で、再発リスクや技術的な難しさ、患者の協力が重要となるなどの課題もあります。今後は、さらなる技術の向上と、患者教育の充実が求められるでしょう。歯科医療従事者と患者が一丸となって、非外科的歯周治療の発展に取り組んでいく必要があります。

 

よくある質問

 

非外科的歯周治療とはどのようなものですか?

非外科的歯周治療とは、手術を伴わずに歯周病を治療する方法です。プラークコントロール、スケーリングとルートプレーニング、抗菌療法などの手段を組み合わせて行われます。患者への負担が少なく、費用対効果も高い治療法といえます。

 

非外科的歯周治療の利点は何ですか?

非外科的歯周治療の主な利点としては、患者への負担が小さいこと、術後の回復が早いこと、費用が抑えられること、幅広い症例に適用できることが挙げられます。手術を回避できる可能性もあり、さらなるコスト削減につながります。

 

非外科的歯周治療にはどのような注意点があるのでしょうか?

非外科的歯周治療にはいくつかの注意点があります。深い歯周ポケットの完全な除去が難しく、細菌が残存して再発のリスクがある点、器具の適切な操作に高度な技術が必要な点、患者自身のセルフケアが重要な点などが挙げられます。

 

今後、非外科的歯周治療に期待されることは何ですか?

今後、非外科的歯周治療の発展には、さらなる技術の向上と、患者教育の充実が求められます。歯科医療従事者と患者が協力して取り組んでいくことが重要です。

この記事を監修した人
山崎 英彦

札幌 歯周病・予防歯科 院長
歯周病治療および予防歯科を重視し、口腔の健康を目標とした治療を心がけています。

  • 日本歯周病学会指導医
  • 日本臨床歯周病学会指導医
  • 日本糖尿病学会協力歯科医
  • 日本歯周病学会認定研修施設

プロフィールはこちら

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME