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歯周病と糖尿病の関係

[2024.02.22]

札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。

お口の中だけの病気である歯周病と、全身に合併症が出る糖尿病。一見関係なさそうな病気だと思われるかもしれません。ところが、歯周病と糖尿病には深い関係があります。今日はその関係について説明します。

歯周病は細菌の感染による歯周組織の炎症です。炎症とは、身体が何らかの有害な刺激を受けた時に、これを取り除こうとして防御する反応のことです。歯周に炎症を起こすと、炎症細胞から血糖を下げる働きのあるインスリンを効きにくくするホルモンが出て、血糖値が上がるのです。

歯周病は発熱などを起こさないごく軽い炎症ですが、長期にわたり持続するので、糖尿病に対する影響も大きいのです。つまり、歯周病の治療をして炎症が小さくなれば、炎症細胞から出るホルモンが減り、血糖値が下がる可能性があるのです。

歯周治療が糖尿病患者のHbA1cを0.4%~0.7%低下させることがわかっています。HbA1cの0.4%~0.7%の低下は、糖尿病の治療薬1剤に匹敵しますので、歯科にきちんと通えば、薬が1つ減るかもしれません。

では、なぜ糖尿病の人が歯周病になりやすいのでしょうか?

日本糖尿病学会が発行している糖尿病治療ガイドに、歯周病が糖尿病の合併症の1つとして書かれています。糖尿病の人は細菌に対する抵抗力が弱まり、傷も治りにくくなります。歯周病を引き起こす細菌にも弱くなり、歯肉の炎症も回復が難しくなります。

また、糖尿病では唾液の分泌量が少なくなり、お口の中が乾燥します。唾液にはお口の中を清潔にして、細菌を洗い流す作用もあるので、唾液の減少は歯周病の悪化につながります。

歯周病が悪化すると糖尿病も悪化し、歯周病が改善し歯周組織の炎症が小さくなると糖尿病も改善します。逆の場合も同じで、歯周病と糖尿病は互いに影響を与えています。

では、歯科医院で行う歯周治療とはどのようなことをするのでしょうか?

大きく分けてふたつあります。ひとつは、原因が細菌なので、歯をきれいに磨けるようにするブラッシング指導です。もうひとつは、細菌が付きやすく、歯磨きでは取れない歯石を取ることです。歯をきれいに磨く習慣がつけば、清潔な状態を汚したくなくなり、夜食や間食が減る効果もあります。

糖尿病の人は、歯科の受診をお勧めします。

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