札幌 歯周病・予防歯科 | 歯周病専門医・指導医の山崎 英彦 院長ブログ 2019年9月
空腹時に口臭がきつくなるというのは本当なのか?
札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。
空腹時に独特の口臭がするという経験はありませんか。
空腹時に口臭が発生するのは、生理的口臭といわれ、唾液の減少や空腹時に起こる内臓の反応などと関係しています。
一方、食事による口臭は一時的なものです。
日常生活に影響を及ぼす口臭は、生理的口臭と病的口臭の二つに分類されています。
生理的口臭は、加齢やストレス、ホルモンバランスなどの影響で口腔内の唾液の分泌が低下し、乾燥してしまうことによって起こる口臭です。
よって、歯磨きや食事をして唾液の分泌を促すことで、改善が期待できます。
さらに、空腹になると口臭が強くなります。
その理由として、口内での腐敗反応の進行、唾液の分泌量の減少に伴う浄化作用の低下、空腹時に分泌される膵液(すいえき:膵臓から十二指腸に外分泌される消化液)などによるガスの発生があげられます。
また、口内での腐敗反応の進行とは、歯間や舌苔(ぜったい)などで、口内の食べかすや粘膜の新陳代謝の垢などが、腐敗していくことで口臭が作られます。
唾液の分泌量の減少に伴う浄化作用の低下は、唾液は強力な浄化、消臭能力を持っています。
食事中は唾液がたくさん分泌されますが、食事が終わり、無刺激な状態が続くと唾液も用事がないので分泌が止まります。
病的口臭の可能性がある場合は受診の検討を
口臭が空腹時だけでない場合は、病的口臭の可能性があります。
歯科疾患か消化器疾患の場合が多いので、歯科か内科の受診を検討しましょう。
もし、食事直後や歯磨きをしても口臭が軽減していないならば、病的口臭が考えられます。
病的口臭は、歯肉炎や虫歯など口の中が原因の場合と、逆流性食道炎や胃炎などの胃腸の不調によるものが原因の場合があります。
そのため、食事後や歯磨き後も口臭を感じるようならば、一度歯医者か内科を受診されることをお勧めします。
赤ちゃんの歯のケア。生え始めの歯が虫歯にならないためにパパママ必読
札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。
「虫歯は遺伝する」、このような情報を耳にしたことはありませんか?
はたしてこれは本当なんでしょうか?
実はこれは間違いなんです。
歯の形や質、歯並び、骨格、唾液の性質などは遺伝的な影響を受けることがありますが、お父さん、お母さんが虫歯が多いからといって、子供も必ず虫歯が多くなるわけではないのです。
生まれてきた赤ちゃんのお口の中には虫歯の原因になる虫歯菌は存在しません。
しかし、最新のデータによると、3歳児の約4人に1人は虫歯があるといわれています。
ではなぜ無菌状態で生まれてきたにも関わらず、多くの人が虫歯になってしまうのでしょうか?
生え始めの歯に虫歯は感染する
虫歯はミュータンス菌という細菌の感染で起こる感染症の一つです。
はじめは無菌状態の赤ちゃんも、生活をしていく中で周りの人から虫歯菌がうつってしまいます。
虫歯菌が周りの人からうつらないようにすれば、虫歯になるリスクが減るということになります。
赤ちゃんと多くの時間を過ごすのは、ご両親(特にお母さん)です。
お父さん、お母さんからの感染をできるだけ避け、無菌状態を長く保つことで、虫歯になるリスクを減らすことができます。
赤ちゃんの虫歯の感染経路
虫歯の原因となるミュータンス菌は唾液の中に含まれています。
周りの人の虫歯菌の含まれた唾液が無菌状態の赤ちゃんのお口の中に入り込むことで、虫歯菌が感染します。
赤ちゃんの歯を守るためにやってはいけないこと
(1)食器の共有
子供が小さいうちは、つい自分の使っている箸やスプーンでそのまま食べさせてしまいがちですが、それは唾液の中の虫歯菌を子供のお口の中に運んでいることになります。
子供用の食器を分けて使うようにすると虫歯になるリスクを減らすことができます。
(2)噛み与え
固い食べ物を噛み砕いたり、熱い食べ物の温度を口に入れて確かめてから食べさせることも虫歯菌に感染する原因になります。
固めの食べ物はあらかじめ細かく切ったり、柔らかくする調理方法にしたり、熱い食べ物は自然に冷ますように工夫してみてください。
(3)過度なスキンシップ
かわいさ余ってお口にキスをしたくなる時もありますが、これは口から口への感染の原因となります。
これらのことを常に意識していても、顔を近づけることもあれば、あやしているをときに唾が飛んだり、完全に感染を避けることはできません。
親子のスキンシップはとっても大切なことですし、感染を避けるためにスキンシップをしないということはできません。
そこで重要になってくるのが、周りの人の唾液にどれだけの細菌が含まれているかです。
たとえ周りの人の唾液がお口の中に入ってしまった場合でも、細菌の数が少なければ子供が虫歯になるリスクは低いといえます。
つまり、一番身近な感染源となるお父さん、お母さんのお口の中を清潔にしておくことが感染防止の一つの手段となるのです。
赤ちゃんの歯を守るためにやるべきこと
(1)虫歯治療
できることなら、赤ちゃんが生まれる前にお父さんもお母さんも虫歯の治療をすませておくことをおすすめします。
妊娠中も安定期であれば麻酔を使った歯科治療もできます。
治療内容や治療期間は、虫歯の状態によって変わってくるため、産科医、歯科医師と相談しながら進めてください。
(2)クリーニング
歯科医院での専門的なクリーニングをしてお口の中の細菌数を減らしておきましょう。
毎日しっかり歯磨きをしていても、磨き残しがあったり、歯石がついてしまうことがあります。
歯についているプラークや歯石は細菌の塊です。
専用の器具でご自身では取れない汚れを徹底的に取り除いてもらってください。
(3)定期健診
信頼できる歯科医院をみつけ、定期健診を受けることを習慣にしましょう。
まずはご自身のお口の状態を知り、必要な治療、正しいケアの仕方を理解することが大切になります。
赤ちゃんが生まれてからもご家族そろって検診を受けられるホームドクターがいると心強いですよね。
(4)周りとの協力
育児にかかわる周りの方にも協力してもらいましょう。
おじいさん、おばあさんにも子供を預ける機会が出てくるはずです。
正しい知識を共有して子育てをサポートしてもらいましょう。
まとめ
虫歯は遺伝ではなく、細菌感染です。
無菌状態で生まれてきた赤ちゃんがどれだけ長くその状態を保っていられるかで、その後の虫歯になるリスクは変わってきます。
まずはお父さん、お母さんのお口の状態を清潔にし、日常生活での唾液からの感染を減らすようにしましょう。
かわいいわが子のお口の健康を守れるかはお父さん、お母さん次第です!
虫歯をあまく見ちゃいけない 虫歯で顎の骨を取る 人が死ぬことも
札幌 歯周病・予防歯科、院長の山崎英彦です。
虫歯があることは自覚していても、痛みがないからとか、我慢してたら痛みが消えたからとか理由をつけて放置している方も多いのではないでしょうか?
虫歯を放置し続けると最悪どうなるかお伝えしていきましょう。
虫歯を放置するとどうなるか
最悪の場合死に至る事も
やはり歯医者は怖かったり、通うのが面倒だったりしてきちんと通っていいない方も多いのではないでしょうか。
その理由は様々でしょうが、やはり虫歯を放置したところで大きな病気になるわけでもないし、命に関わりがないといったところが大きいのではないでしょうか?
どこか歯を自分の身体の一部としてとらえれず、虫歯を病気として考えられていない方が多いように思います。
そして、痛みや不具合が出てから歯医者に駆け込むといった方が多いのではないでしょうか?
では、虫歯を放置しすぎて最悪虫歯が原因で死に至ることがあると聞いたらどうでしょうか?
またまたおおげさな? って思うかもしれませんが、紛れもない事実なんです。
もちろん、きちんと治療せず放置し続けた結果の話ですが本当なんです。
虫歯は、放置し続けるとドンドン広がり歯を破壊します。
その後歯の根っこの先まで広がり、原因菌が顎の骨まで到達します。
そこで炎症を起こしてしまいます。
その炎症の部分から、今度は原因菌が血管に入り込み、血液の流れに乗って体内を巡ります。
最終的に、脳や心臓に到達してしまう場合もあります。
脳や心臓など最も重要な場所に原因菌が到達してしまうと、本当に最悪の場合死に至ることもあります。
昨年も、イタリアのシチリアで18歳の女性が虫歯が原因の敗血症で亡くなったというニュースがだいぶ話題になっていましたが、このケースがまさにそうです。
体調が極端に悪かったり、糖尿病などのその他の病気を抱えている方などは本当に要注意です。
普通であれば免疫力で抑えられているものが、免疫力の低下で抑えきれなくなり、脳や心臓に到達してしまいます。
死に至らないまでも入院して手術しなければならないことも
ここまでのケースは極端な例ですが、そうでないまでも虫歯を放置すると歯が崩壊したり、顎の骨まで原因菌が広がったりすると薬も効かず、夜眠れないほどの激痛に襲われたりします。
顎の骨に原因菌が広がり炎症がひどくなると入院して顎の骨を切除する手術しなければならないこともあります。
やはり大切なのは早期発見、早期治療
このように虫歯を甘く見て放置してしまうと、かなり大事になってしまうこともあります。
そうでなくても、本来1?2回で治療終わるところが、放置してしまったために数ヶ月かかってしまうこともあります。
どうかしっかりと虫歯を自分の身体のこと、命に関わることとして考え、勇気を出して歯医者に行きましょう。
そして、早い段階で適切な処置をし、健康な歯で美味しく食事をしましょう。