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補綴物(詰め物・被せ物)の寿命はどれくらいか?知っておくべき管理法と長持ちさせる秘訣

[2025.06.09]

 補綴物(詰め物・被せ物)の寿命は何によって決まるのか?種類別の平均寿命から寿命を縮める原因、長持ちさせるためのポイントまで詳しく解説します。正しい知識を身につけて、健康な口腔環境を保ちましょう。

slug(URL末尾): how-long-do-dental-fillings-last-tips-for-maintaining-and-prolonging-their-lifespan

はじめに:

歯科治療の際に使用される補綴物は、虫歯や欠損した歯を補う重要な役割を担っています。しかし、その寿命は様々な要因によって変わってくるため、適切な管理方法を知ることが大切です。このブログでは、補綴物の種類別の平均寿命、寿命を縮める原因、長持ちさせるための対策などを詳しく解説しています。補綴物を長く使用できるよう、正しい知識を身に付けましょう。

 

1. 歯科補綴物の寿命について知っておくべき基本知識

 

歯科補綴物は、失った歯やその部分を補うための重要な要素であり、患者の口腔健康を維持するために欠かせない存在です。これらの補綴物にはそれぞれ寿命がありますので、どのように管理すれば良いかを理解することが大切です。

1. 素材別で比較!補綴物の平均的な寿命

補綴物の寿命は、その種類や使用される素材によって異なります。以下に、一般的な補綴物とそれぞれの平均的な寿命をまとめました。

1. 詰め物(コンポジットレジン、金属)

  • コンポジットレジン: 約2~3年
  • 金属(銀歯など): 約5~7年

2. 被せ物(セラミックや金属合金)

  • 金属の被せ物: 約5~7年
  • セラミックの被せ物: 10年以上持つことが期待されます

3. ブリッジ

  • 一般的には7~8年の寿命があります。

4. 入れ歯

  • 通常、4~5年ごとに交換が求められることが多いです。
2. 補綴物の寿命を縮める4つの要因とは

補綴物の寿命はさまざまな要因によって短くなることがあります。これを理解することが重要です。

1. 素材の特性

使用する素材の強度や耐久性は補綴物の寿命に大きく影響します。セラミックやジルコニアなどの高強度材料は、 مقاومت力が高いため寿命が延びやすいです。

2. 使用環境

口腔内では、酸性の食べ物や飲み物、温度の変化が補綴物の劣化を進める可能性があります。歯ぎしりや硬い食べ物の摂取といった習慣も寿命を短くする原因になります。

3. 長持ちさせるための3つのポイント

補綴物の寿命を延ばすためには、正しい知識と日々のケアが必要です。以下のポイントに注意してみてください。

  1. 定期的なメンテナンス
    歯科医院で定期的な検診を受け、補綴物の状態を常に確認しましょう。

  2. 適切な口腔衛生を維持
    毎日の歯磨きとフロスで口腔内を清潔に保つことが、補綴物の寿命を支えます。

  3. 食習慣の見直し
    硬い食品や粘り気のある食材を避けることで、補綴物への負担を減らし、寿命を延ばすことが可能です。

4. 補綴物が取れてしまった時の正しい対処法

もし補綴物が外れてしまった場合は、すぐに歯科医院へ連絡してください。自己判断で再装着しようとすることは避け、専門の医師に診てもらうことが重要です。

5. まとめ

補綴物の寿命を正しく把握し、適切なケアを行うことで、健康的な口腔環境を維持できます。自分の口腔内の状態をしっかり理解し、医師のアドバイスに従って日常のケアに努めることで、長持ちする補綴物を確保できます。定期的な歯科診療と良好な口腔衛生は、あなたの歯や補綴物の健康を守る鍵となります。

 

2. 素材別で比較!補綴物の平均的な寿命

 

歯科補綴物は、使用する素材によってその寿命が大きく変わることがあります。ここでは、一般的に用いられる素材ごとに、平均的な寿命とそれぞれの特性について詳しく解説します。

レジン

寿命:約2〜3年
レジンはその柔軟性や成形の簡便さから頻繁に選ばれる素材ですが、耐久性では他の素材に劣ることがあります。特に前歯に適用する場合、色が変わりやすく、また衝撃に対する耐性が低いため、割れる可能性があるのがデメリットです。

銀歯

寿命:約3〜5年
銀歯は強い衝撃に耐える能力がありますが、二次カリエスのリスクがあるため注意が必要です。再び虫歯が発生することで、補綴物がずれたり、適合が悪くなったりすることがあります。

ハイブリッドセラミック

寿命:約5年
この素材はコンポジットレジンとセラミックを組み合わせたもので、耐久性と美しさを兼ね備えています。ただし、レジンの特性上、時間の経過とともに変色することがあり、長期間使用する際には注意が必要です。

メタルボンド

寿命:約7年
メタルボンドは金属の内側にセラミックを焼き付けた構造で、高い耐久性を持っています。しかし、経年劣化に伴い金属がイオン化し、歯茎周りに黒ずみが現れることもありますので、定期的なチェックが望まれます。

オールセラミック

寿命:約7〜10年
審美性に優れたこの素材は主に前歯に使用されることが多いですが、衝撃には弱いので、補綴物を配置する際の計画が重要です。

e-max

寿命:約7〜10年
ニケイ酸リチウムガラスを基にした高強度のセラミックで、美しさと強度を兼ね備えています。また、色素が吸収されにくいため非常に人気があります。

ジルコニアセラミック

寿命:約7〜10年
「人工ダイヤモンド」とも称される高い素材強度を持ち、特に奥歯の補綴物に適しております。変色のリスクは低いですが、固さが影響して噛み合わせに注意が必要です。

他の素材との比較

以上のように、使用される素材により補綴物の寿命には大きな違いがあります。セラミック系素材は、保険適用の金属やレジンと比べて、美容性や耐久性が高いため、自費治療での選択肢として人気があります。歯の状態や使用箇所を考慮し、最適な素材を選定することが非常に重要です。

 

3. 補綴物の寿命を縮める4つの要因とは

 

補綴物の寿命は患者の口腔内の状況や行動によって大きく影響されます。ここでは、補綴物の寿命を縮める代表的な4つの要因について解説します。

1. 歯ぎしりや食いしばり

無意識のうちに行う歯ぎしりや食いしばりは、補綴物に強い負担をかけます。これにより、セラミックや金属製の補綴物が欠けたり、割れたりするリスクが増加します。また、歯ぎしりや食いしばりは天然歯にも悪影響を与え、根の破折などの深刻な問題を引き起こすことがあります。自分が歯ぎしりをしているか心配な方は、歯科医に相談することをお勧めします。

2. 事故や外部からの衝撃

スポーツや事故などで強い衝撃を受けることも、補綴物の寿命に影響を与えます。特に、口元に直接衝撃が加わると、取り付けている補綴物が壊れることがあります。運動をする際には、マウスガードなどの適切な防護具を使用することで、このリスクを軽減できます。

3. 噛み合わせの問題

噛み合わせが悪いと、特定の歯に過剰な力がかかり、これが補綴物の破損につながる可能性があります。さらに、噛み合わせの不具合は顎関節にも影響を及ぼし、頭痛や肩こり、腰痛などの全身症状を引き起こすこともあります。早期に噛み合わせを整えるためには、歯列矯正などの治療が効果的です。

4. 不十分な口腔ケア

補綴物自体は汚れが付きにくい素材であっても、日々の口腔ケアが不十分であれば、虫歯や歯周病のリスクが高まります。虫歯が再発すると、補綴物を取り外して治療しなければならないため、寿命が短くなります。定期的な歯科検診や正しい歯磨き習慣が重要です。

これらの要因を理解し、適切な対策を講じることで、補綴物の寿命を延ばすことができます。これは、健康な口腔環境を維持するためだけでなく、経済的な負担を軽減するためにも大切な要素です。

 

4. 長持ちさせるための3つのポイント

 

補綴物、特にセラミック製の詰め物や被せ物の寿命を延ばすには、日常的なケアが非常に重要です。ここでは、補綴物の寿命を延ばすための具体的な3つのポイントを紹介します。

セラミック治療に信頼できる歯科医院を選ぶ

セラミック治療では、高度な専門技術が求められます。歯科医院によって治療の質や使用する材料に差があるため、選び方には慎重を期すべきです。以下のポイントを考慮してください。

  • 治療の経験:その医院が提供しているセラミック治療の実績を確認しましょう。
  • 専門家のスキル:歯科医師のみならず、歯科技工士の技術も重要な要素です。患者のニーズに応じた適切なケアが実施できるかどうかもチェックポイントです。
日常の口腔ケアを徹底する

セラミックは非常に優れた材質ですが、口腔内の状況が悪化すると、寿命にも影響を及ぼします。特に虫歯や歯周病は、補綴物にとって危険な要因となり得ます。以下のことに気をつけましょう。

  • 正しい歯磨きの実践:歯磨きは基本中の基本です。使用する歯ブラシや磨き方を見直し、毎日怠らず実施しましょう。
  • フロスや歯間ブラシの使用:歯と歯の間は特に磨き残しが多くなるため、これらの器具を活用し、きちんと清掃することが大切です。
  • 定期的な専門的ケアの受診:歯科医院での定期検診やクリーニングを欠かさず受け、プロによるメンテナンスを取り入れることが重要です。
歯ぎしりや食いしばりの対策を講じる

意識せずに行う歯ぎしりや食いしばりは、補綴物に多大な負担をかけ、破損のリスクを高めます。これを防ぐための対策が不可欠です。

  • ナイトガードの利用:特に寝ている間に歯ぎしりをする傾向がある方は、マウスピースを着用することで、歯にかかる力を分散させることが可能です。
  • ストレス管理法の確立:日常的なストレスも歯ぎしりの原因となることがあります。リラックス方法やストレス発散の手段を見つけて、心と体の健康を維持しましょう。

これらのポイントを意識し実践することで、セラミックの補綴物の寿命を延ばし、健全な口腔環境を長く保つことができます。日々のちょっとした努力が、将来的には大きな違いを生むことを覚えておいてください。

 

5. 補綴物が取れてしまった時の正しい対処法

 

補綴物が外れた際、適切な対応を迅速に行うことが極めて重要です。ここでは、補綴物が取れたときの正しい対処法をいくつかご紹介いたします。

自分で接着を試みない

まず、家庭で補綴物を接着しようとする行為は厳に慎むべきです。その理由は以下の通りです。

  • 健康への危険性:一般的な接着剤には化学成分が含まれており、仮に体内に入ると健康を損なう可能性があります。
  • 噛み合わせの不具合:不適切な接着を行うことで、噛み合わせが不良となり、さらなる問題を引き起こすおそれがあります。
  • 虫歯リスクの増加:接着が不完全だと隙間ができ、そこにプラークが溜まりやすく、二次虫歯の危険性が高まります。

このため、必ず専門の歯科医に相談することが必要です。

取れた補綴物は保管しておく

外れた補綴物は、必ず治療時に持参することが大切です。保管する際には以下の点に気をつけましょう。

  • 清潔に保つ:ティッシュペーパーや使い捨ての容器に包み、再装着が可能な状態を維持することが望ましいです。
  • 破損に注意を払う:補綴物が損傷していると再接着が難しくなるため、丁寧に取り扱う必要があります。
取れた部分のケア

支台歯が露出している場合、口腔内の衛生を保つことは特に重要です。以下のポイントを守り、日常のケアをしましょう。

  • 入念なブラッシング:外れた補綴物周辺は汚れや食べ残しが付きやすくなるため、特に注意深くブラッシングすることをおすすめします。
  • 刺激物を避ける:支台歯は敏感になっているため、熱いものや冷たいものをできるだけ遠ざけるように心掛けましょう。
早急に歯科医を受診する

補綴物が外れたまま放置すると、虫歯のリスクが高まり、形状が変わってしまうことで再接着が困難になることがあります。以下の行動を心がけてください。

  • 早めの受診:できれば当日に歯科医院で診てもらうのが理想です。
  • 痛みや違和感を報告する:医師に診てもらう際には、痛みや以前の補綴物に関連する問題を必ず伝えてください。

これらの対処法を実践することで、補綴物が外れてしまった際のリスクを軽減し、歯の健康を維持することができます。正しい手順を守ることが大切です。

 

まとめ

歯科補綴物は、失った歯を補う重要な役割を果たしています。しかし、その寿命は素材や使用環境などによって大きく異なります。正しい知識と適切なケアを心がけることで、補綴物を長持ちさせ、健康的な口腔環境を維持することができます。定期的な歯科検診と、日々の入念な歯磨きやフロス使用など、自身の歯の健康管理に努めましょう。そうすることで、補綴物による不便や経済的負担を最小限に抑えながら、快適な生活を送ることができるでしょう。

よくある質問

補綴物の素材による平均寿命の違いはありますか?

補綴物に使用される素材によって寿命に大きな違いがあります。レジンは2~3年、金属は5~7年、セラミックやジルコニアは7~10年と、高強度の素材ほど長持ちする傾向にあります。素材の特性と使用箇所を考慮し、適切な治療を選択することが重要です。

補綴物の寿命を縮める主な要因は何ですか?

歯ぎしりや食いしばり、強い衝撃、噛み合わせの問題、そして不十分な口腔ケアが主な要因です。これらの要因により、補綴物の破損やずれ、二次的な虫歯リスクが高まるため、適切な対策を講じることが寿命を延ばすコツとなります。

補綴物の寿命を延ばすためには何に気をつければよいですか?

定期的な歯科検診と専門的なメンテナンス、正しい歯磨きとフロスの使用、硬い食べ物の制限、そしてナイトガードの使用などが重要です。これらの日常的なケアを実践することで、補綴物の寿命を延ばすことができます。

補綴物が外れてしまった場合、どのように対処すべきですか?

補綴物が外れた場合は自己判断で再接着を試みるのではなく、速やかに歯科医院を受診することが重要です。取れた補綴物は清潔に保管し、医師に提示しましょう。支台歯の衛生管理にも気をつけながら、早期の治療を受けることで、健康な口腔環境を維持できます。

この記事を監修した人
山崎 英彦

札幌 歯周病・予防歯科 院長
歯周病治療および予防歯科を重視し、口腔の健康を目標とした治療を心がけています。

  • 日本歯周病学会指導医
  • 日本臨床歯周病学会指導医
  • 日本糖尿病学会協力歯科医
  • 日本歯周病学会認定研修施設

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