歯周病を放置すると医科の医療費が年間1.6倍に増加!?
歯周病は、歯ぐきの腫れや出血、口臭、歯のぐらつきなどを引き起こす病気です。しかし、歯周病の本当の怖さは単に歯を失うことだけではありません。近年の研究では、歯周病を放置している人は、そうでない人と比較して医科の医療費が年間約1.6倍になることが報告されています。今回は、歯周病と全身の健康、そして医療費との関係についてわかりやすく解説します。
歯周病はお口の中だけの病気ではありません
歯周病は、歯と歯ぐきの境目に付着した細菌によって起こる慢性的な感染症です。歯周病が進行すると、歯ぐきの中に炎症が広がり、多数の細菌や炎症物質が血管内に入り込みます。その結果、以下のような様々な全身疾患との関連が指摘されています。
- 糖尿病
- 心筋梗塞
- 狭心症
- 脳梗塞
- 誤嚥性肺炎
- 慢性腎臓病
- 関節リウマチ
つまり、歯周病は単なるお口の中の問題ではなく、全身に影響を及ぼす慢性炎症性疾患なのです。
医療費が1.6倍に跳ね上がる理由
歯周病が進行すると、体内で慢性的な炎症が続きます。この慢性炎症は、体調に以下のような悪影響を及ぼします。
| 血糖値 | 数値の悪化 |
|---|---|
| 血管の状態 | 動脈硬化の進行 |
| 免疫機能 | 機能の低下 |
| 感染症リスク | 罹患リスクの増加 |
その結果、医科への受診回数や投薬が増え、入院のリスクも高くなるため、年間の医療費が増加すると考えられています。特に糖尿病患者の場合、歯周病が悪化すると血糖コントロールが難しくなり、さらなる治療費の増加につながることが知られています。
糖尿病と歯周病の密接な関係
歯周病と糖尿病の関係は非常に深く、お互いの症状を悪化させるという負の連鎖が生じます。
糖尿病が歯周病に与える影響
- 体の抵抗力が落ち、感染症に弱くなる
- 歯ぐきの組織がダメージを受け、歯周病が進行しやすくなる
歯周病が糖尿病に与える影響
- 歯ぐきの炎症物質が血液中に入り込む
- インスリンの働きが低下する
- 結果として血糖値が上がりやすくなる
そのため現在では、歯周病は糖尿病の第6の合併症とも呼ばれています。しかし、適切な歯周病治療によってHbA1c(ヘモグロビンA1c)の値が改善することも多くの研究で報告されています。
歯を失うことで生じる二次的なリスク
歯周病を放置して最終的に歯を失うと、さらなる医療費の増加を招く可能性があります。歯が少なくなると、食事や筋力に以下のような問題が生じます。
- しっかりと噛めなくなる
- 栄養バランスが偏り、悪化する
- 全身の筋力が低下する
- フレイル(虚弱)の状態になる
- 認知症の発症リスクが高まる
特に高齢者では、これらが原因で転倒や要介護状態につながることもあり、結果として医療費や介護費のさらなる負担増を招く可能性があるのです。
歯周病治療は将来への健康投資
歯周病は、適切な治療と定期的なメインテナンスによって進行を抑制できます。歯科医院で定期検診を受けることは、以下のような健康メリットをもたらします。
- 歯周病の早期発見・早期治療
- 大切な歯の喪失予防
- 糖尿病などの持病の改善サポート
- 全身疾患にかかるリスクの低減
- 将来的な自己負担医療費の抑制
「歯科医院に通うのは費用がかかる」と感じるかもしれませんが、長期的な視点で見れば、歯周病予防は生涯の医療費を抑えるための重要な健康投資といえます。
歯周病のセルフチェックリスト
以下の症状に一つでも当てはまる場合は、すでに歯周病が進行している可能性があります。
- 歯磨きの際に出血がある
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 自分や周囲の口臭が気になる
- 以前より歯が長くなった気がする
- 歯がぐらぐらと動く
- ここ最近、歯科検診を受けていない
まとめ:健康な歯を保ち全身の病気を防ぎましょう
歯周病は、単なるお口のトラブルではありません。放置すれば全身の健康を損なうだけでなく、医科の医療費を増大させる一因となります。歯を守ることは、全身の健康を守り、将来の生活の質を維持することに直結します。
自覚症状がなくても歯周病は静かに進行します。定期的な歯科検診と専門的なメインテナンスを受け、健康なお口と体を末永く維持していきましょう。
札幌歯周病・予防歯科では、歯周病専門医が精密検査を行い、一人ひとりに合わせた歯周病治療と予防プログラムをご提案しています。
歯ぐきの出血や違和感、あるいは歯周病の不安がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
札幌 歯周病・予防歯科 院長
歯周病治療および予防歯科を重視し、口腔の健康を目標とした治療を心がけています。
- 日本歯周病学会指導医
- 日本臨床歯周病学会指導医
- 日本糖尿病学会協力歯科医
- 日本歯周病学会認定研修施設
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