歯ぎしり・食いしばりと補綴治療
札幌市中央区の「札幌 歯周病・予防歯科」で院長を務めております山崎英彦です。
私たちのクリニックでは、単に虫歯や歯周病を治すだけでなく、患者さんが一生ご自身の歯で美味しく食事を楽しめることを目標としています。その中で、意外と見落とされがちなのが歯ぎしりや食いしばりといった力の問題です。これらは、せっかく行った高度な補綴治療(被せ物や詰め物の治療)の寿命を縮めるだけでなく、歯周病を急激に悪化させる大きなリスク因子(病気を引き起こす、あるいは悪化させる原因)となります。大通駅から徒歩5分の当院では、歯周病指導医の視点から、この力の影響を考慮した精密な診療を行っています。
歯ぎしり・食いしばりが歯の寿命を左右する理由
朝起きたときに顎がだるい、あるいは日中ふとした瞬間に上下の歯をギュッと噛み締めていることに気づくことはありませんか。これらはブラキシズムと呼ばれ、自分ではコントロールしにくい無意識の習慣です。歯周病治療を専門とする私たちにとって、この歯ぎしりは非常に警戒すべき存在です。なぜなら、歯を支える骨に対して、食事のときとは比較にならないほどの強い力が長時間加わり続けるからです。
特に、失った歯を補うためのブリッジやインプラント、あるいは大きな被せ物などの補綴治療を行った後は、この力のコントロールが不可欠です。精密に作った被せ物であっても、過度な力が加われば壊れたり、土台となる自分の歯が割れたりする恐れがあります。私たちは、歯の保存を最優先に考え、長く安定した状態を保つために、この力の問題に正面から向き合っています。
当院の診療方針については「「歯を残すことへの想い」:なぜ当院は歯周病治療と予防に力を入れているのか?」のページをぜひご覧ください。歯を守ることへの私たちのこだわりをお伝えしています。
歯ぎしり・食いしばりの原因について
歯ぎしりや食いしばりの原因は一つに特定できるものではなく、複数の要素が複雑に絡み合っていることが一般的です。臨床現場で患者さんとお話ししていると、やはり生活環境の変化や心理的な影響が大きく関わっていると感じます。主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 精神的なストレスや肉体的な疲労による緊張状態
- 噛み合わせの不調和や、それに伴う違和感
- 集中しているときに無意識に歯を接触させる癖(TCH)
- 飲酒や喫煙、特定の薬剤の影響
特に最近では、スマートフォンやパソコンを長時間使用する際の姿勢が、無意識の食いしばりを誘発しているケースも目立ちます。札幌北1条駅前通り周辺でお仕事をされている方々も、デスクワーク中の集中が歯に負担をかけているかもしれません。私たちは、治療を通じてこれらの背景にも配慮したアドバイスを心がけています。
歯ぎしりが引き起こすお口のトラブルと病気
歯ぎしりや食いしばりを放置しておくと、お口の中にはさまざまな悪影響が現れます。これらは自覚症状がないまま進行することが多いため、歯科医院での定期的なチェックが重要です。
歯周病の急激な進行(咬合性外傷)
歯周病の直接的な原因は細菌感染ですが、そこに過度な力が加わると、歯を支える骨の破壊が加速します。これを咬合性外傷と呼びます。細菌による炎症と、力の負担が重なることで、本来なら残せるはずの歯がグラグラになり、抜歯を余儀なくされることもあります。
歯周病の進行については「気付かないうちに進行しています~歯周病~」のページで詳しく解説しています。
歯の破折と補綴物の破損
強い力によって、ご自身の歯が真っ二つに割れてしまう「歯根破折」が起こることがあります。また、セラミックなどの被せ物が欠けたり、金属の詰め物が外れたりする原因の多くも、この異常な力によるものです。せっかく時間をかけて行った補綴治療を長持ちさせるには、力の分散が鍵となります。
顎関節症や顔の筋肉の痛み
歯だけでなく、顎の関節やそれを動かす筋肉にも負担がかかります。口が開きにくい、顎を動かすと音がする、といった症状は、食いしばりによる筋肉の緊張から来ていることが少なくありません。当院での対応については「顎関節症治療」のページを参照してください。
歯ぎしり・食いしばりに対する補綴治療の進め方
当院では、歯ぎしりのある患者さんに対して、単に被せ物をするだけでなく、その後の予後(治療後の経過の見通し)を良くするための多角的なアプローチを行っています。高度な歯周治療を提供できる体制があるからこそ、土台となる歯周組織の状態を見極めた上での提案が可能です。
精密な噛み合わせの構築
補綴物を作製する際は、咬合器(顎の動きを再現する装置)を用い、ミリ単位以下の精度で調整を行います。特定の歯にだけ強い力が集中しないよう、全体のバランスを整えることが、歯を残すための第一歩です。自由診療の範囲では、より生体親和性の高い素材を用いることで、歯肉との調和を図ることも可能です。
審美的な美しさと機能を両立させる治療については「白い歯で見た目と機能性の向上~審美治療~」のページをご覧ください。
ナイトガード(マウスピース)の併用
就寝中の無意識な歯ぎしりから歯や補綴物を守るために、専用のマウスピースを作製します。これは、歯の摩耗を防ぐだけでなく、顎関節への負担を軽減し、歯周組織にかかる力を和らげる緩衝材としての役割を果たします。
非外科的なアプローチとメインテナンス
私たちは、可能な限り体に負担の少ない治療を優先します。重度の歯周病であっても、まずは非外科的な手法で徹底的に原因を除去し、お口の環境を整えます。その上で、食いしばりによる悪影響が出ていないかを定期的に確認し、寛解(症状が落ち着いて安定した状態)を維持することを目指します。
予防とメインテナンスの重要性については「一生健康な歯でいるために~予防歯科・プラークコントロール~」のページで詳しくお伝えしています。
料金について
当院では、患者さんが納得して治療を選択できるよう、事前の説明を徹底しています。保険診療と自費診療のそれぞれの利点と限界を丁寧にお伝えします。以下は、力のコントロールに関連する処置の目安です。
| 治療項目 | 内容・特徴 | 費用の目安(税込) |
|---|---|---|
| ナイトガード | 保険診療でのマウスピース作製 | 約5,000円程度(3割負担時) |
| 精密補綴物(セラミック) | 耐久性と適合性に優れた被せ物 | 110,000円 - 165,000円 |
| 噛み合わせ精密診断 | 咬合分析・模型診断など | 33,000円 - 55,000円 |
| 定期メインテナンス | クリーニング・力の影響チェック | 約3,000円 - 15,000円 |
※詳細な費用については、お口の状態によって異なります。具体的な金額については「歯周病専門外来の費用」のページをご確認いただくか、直接ご相談ください。
歯ぎしりと補綴治療についてのよくある質問
Q1. 歯ぎしりは自覚がありませんが、指摘されたことがあります。治療は必要ですか?
A1. 歯ぎしりは無意識に行われるため、ご自身で気づくのは困難です。しかし、歯科医師が診れば、歯の擦り減りや骨の隆起、頬の内側の線などから容易に判断できます。症状が悪化する前に、マウスピースなどで対策を講じることをお勧めします。
Q2. 被せ物が何度も外れるのは、食いしばりのせいでしょうか?
A2. その可能性は十分にあります。接着剤の問題だけでなく、構造的に耐えられない力が加わっている場合、いくら付け直しても再発します。当院では原因を詳しく分析し、設計そのものを見直すご提案をすることもあります。
Q3. マウスピースは一生使い続ける必要がありますか?
A3. ストレスの軽減などで習慣がなくなる場合もありますが、多くの方は長期的な使用が推奨されます。大切な天然歯や高価な補綴物を守るための「保険」だと考えていただければと思います。
院長より
札幌市中央区の地下歩道7番出口からすぐの当院には、他院で「この歯はもう残せない」と言われた患者さんが多く来院されます。その原因を紐解いていくと、細菌による歯周病だけでなく、今回お話しした歯ぎしり・食いしばりがトドメを刺しているケースが非常に多いのです。
私は、日本歯周病学会 指導医・専門医として、また日本臨床歯周病学会 指導医・専門医として、科学的根拠に基づいた高度な治療を提供することをお約束します。しかし、どんなに優れた技術で手術や補綴治療を行っても、過酷な力の環境がそのままでは、長期的な成功は望めません。だからこそ、当院では患者さんと二人三脚で、生活習慣の改善も含めた総合的なケアを大切にしています。
歯周病専門外来を設けている私たちの強みは、重度の症例であっても「どうすれば残せるか」を徹底的に追求できる点にあります。インプラントを否定するわけではありませんが、やはり自分の歯に勝るものはありません。私たちは不必要な抜歯を避け、可能な限り天然の歯を保存することに情熱を注いでいます。もし、ご自身の噛み合わせや歯の揺れに不安を感じているなら、どうぞお気軽にJR札幌駅からも通いやすい当院へご相談ください。あなたの歯を守るための第一歩を、共に踏み出しましょう。
札幌 歯周病・予防歯科 院長
歯周病治療および予防歯科を重視し、口腔の健康を目標とした治療を心がけています。
- 日本歯周病学会指導医
- 日本臨床歯周病学会指導医
- 日本糖尿病学会協力歯科医
- 日本歯周病学会認定研修施設
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