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地中海式食事で歯周病予防?最新研究が示す意外な健康効果

[2025.10.09]
  皆さんは「地中海式食事」という言葉を耳にしたことがありますか?地中海沿岸の国々、特にギリシャやイタリアで古くから続く食事スタイルで、野菜や果物、豆類、魚、オリーブオイルを中心に摂取し、赤身肉や加工食品は控えめにするのが特徴です。これまで、心臓病や認知症、特定のがんのリスクを減らす食事として知られていましたが、最近の研究では「歯周病」との関係にも注目が集まっています。

2025年に発表されたロンドン大学キングス・カレッジの研究チームによる調査では、イギリスの一般成人を対象に、食生活と歯周炎の関係が詳しく分析されました。この研究は横断研究という方法で、ある時点のデータを集めて関連性を確認するものです。研究では、患者200名を対象に、歯科検診で歯周病の重症度を評価し、血液検査で炎症マーカーを測定、さらに食事アンケートで日常の食生活を詳細に分析しました。

地中海式食事がもたらす歯周病への影響

 

研究の結果、地中海式食事を積極的に取り入れている人は、歯周病の進行が緩やかであることがわかりました。具体的には、歯ぐきの腫れや出血、歯周ポケットの深さといった臨床指標が、地中海式食事群では低く抑えられていました。また、血液中の炎症マーカーであるCRPやIL-6の値も低く、全身の炎症レベルが抑えられていることが示されました。

地中海式食事の特徴は、まず野菜や果物を多く摂ることです。野菜や果物にはビタミンCやポリフェノール、食物繊維などが豊富に含まれ、抗酸化作用や抗炎症作用があります。これらの成分は、歯周病の原因となる炎症反応を抑える可能性があります。また、魚に含まれるオメガ3脂肪酸や、オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸も炎症を鎮める働きがあるとされています。全粒穀物や豆類も血糖値の急上昇を防ぎ、慢性炎症のリスクを減らす効果が期待できます。

 

赤身肉の摂取は注意

 

一方で、赤身肉を多く摂る人では、歯周病の症状がやや進行しており、炎症マーカーも高めでした。赤身肉にはヘム鉄や飽和脂肪酸が多く含まれ、体内で酸化ストレスを引き起こすことがあります。酸化ストレスは炎症を促進し、歯周病の悪化と関連すると考えられます。このため、地中海式食事のように、赤身肉の摂取を控え、植物性食品や魚を中心にする食生活が歯周病予防に有効である可能性が高いのです。

食事と歯周病の関係を科学的に理解する

 

歯周病は、口の中の細菌感染だけでなく、全身の炎症状態とも密接に関連しています。慢性的な炎症は血管や臓器にも影響を与え、糖尿病や心臓病、脳卒中などのリスクを高めることが知られています。つまり、歯周病の予防は口腔の健康だけでなく、全身の健康維持にもつながるのです。今回の研究は、食生活が歯周病のリスクに直接影響する可能性を示した点で非常に重要です。

地中海式食事を日常に取り入れることは、決して難しいことではありません。まずは、毎日の食事に色とりどりの野菜や果物を加えること。魚を週に数回摂取すること。オリーブオイルを調理に活用すること。そして、赤身肉や加工肉の摂取を控えめにすること。こうした小さな工夫が、長期的に歯周病や全身の炎症を抑える効果につながります。

まとめ

今回の研究は、食事と歯周病の関係を示す最新の科学的証拠です。地中海式食事は、口腔内の炎症を抑え、歯周病の進行を緩やかにする可能性があります。また、赤身肉の摂取を控え、植物性食品や魚を中心にした食生活は、口腔だけでなく全身の健康にも寄与します。日常の食習慣を見直すことで、歯ぐきの健康を守り、将来的な全身疾患のリスクも低減できるかもしれません。

私たちが普段口にする食事が、思った以上に歯周病や体の健康に影響していることは驚きです。これからは、歯磨きや定期検診だけでなく、食事も含めた総合的な口腔ケアを考えていくことが大切です。皆さんも今日から、地中海式食事を少しずつ取り入れ、健康的な歯ぐきを目指してみてはいかがでしょうか。

この記事を監修した人
山崎 英彦

札幌 歯周病・予防歯科 院長
歯周病治療および予防歯科を重視し、口腔の健康を目標とした治療を心がけています。

  • 日本歯周病学会指導医
  • 日本臨床歯周病学会指導医
  • 日本糖尿病学会協力歯科医
  • 日本歯周病学会認定研修施設

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