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【サイナスリフト完全ガイド】上顎骨不足でもインプラント治療を諦めない!費用・手術手順・術後ケアまで専門医が詳しく解説

[2025.09.29]

上顎の骨が足りずインプラント治療を諦めていませんか?サイナスリフトなら骨不足の問題を解決できます。手術の流れ、費用相場(15-30万円)、術後の痛みや腫れへの対処法まで、患者様が知りたい情報を分かりやすく解説。安全で確実な治療のポイントをご紹介します。

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はじめに:

インプラント治療を検討している方の中には、「上顎の骨が足りない」と診断され、治療を諦めかけている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方にとって希望となるのが「サイナスリフト」という治療法です。

サイナスリフトは、上顎の骨が不足している場合に行う骨造成手術で、これまでインプラント治療が困難とされていた症例でも治療を可能にする画期的な方法です。しかし、手術と聞くと「痛みはどの程度なのか」「費用はいくらかかるのか」「本当に安全なのか」といった不安を抱く方も多いでしょう。

本記事では、サイナスリフトの基本的な仕組みから具体的な手術手順、期待できる効果、そして手術後の過ごし方まで、患者様が知っておきたい情報を分かりやすく解説いたします。上顎の骨不足でインプラント治療を諦める前に、ぜひ参考にしてください。

 

1. サイナスリフトとは?費用から特徴まで基本を解説

 

サイナスリフトは、上顎の骨が不足している場合に行われる骨造成手術の一つです。この手術は、特にインプラント治療を受ける際に、十分な骨がないために施術が難しい患者に対して非常に重要な役割を果たします。

サイナスリフトの特徴

サイナスリフトは、上顎の奥にある「上顎洞」と呼ばれる空洞部分に骨補填材を注入する手術です。この治療の特徴は以下の通りです。

  • 骨の不足に対応: 上顎の骨が5mm以下、または厚みが8mm未満の場合、サイナスリフトを行うことで、インプラントを効果的に埋入できる環境を整えます。
  • 広範囲の骨造成: この手術を行うことで、広い範囲にわたる骨を一度に造成することが可能となり、複数のインプラントを一度に施術することができます。
  • 精密な技術が必要: 手術は難易度が高く、経験豊富な歯科医師による技術が求められます。施術に使用する骨補填材も高品質なものである必要があります。
サイナスリフトの費用

サイナスリフトの治療費用は、一般的に150,000円から300,000円程度です。この価格帯は、他の骨造成手術と比較しても高額であるため、以下の要因が影響しています。

  1. 骨補填材のコスト: 使用する材料が高価であるため、治療費も上昇します。
  2. 技術料: 高い技術が必要なため、施術を行う医師の技術料が加算されます。
  3. 保険適用外: 公的医療保険が適用されないため、全額自己負担となります。
サイナスリフトの手術プロセス

手術は一般的に日帰りで行われ、約45分から1時間の時間がかかります。基本的な手術の流れは以下の通りです。

  1. 事前診断: 骨の状態を確認するために、CTスキャンや口腔写真などを用いた診断を行います。
  2. 麻酔: 局所麻酔施行後に手術を開始します。
  3. 切開と窓の作成: 歯肉を切開し、上顎の骨に小さな窓を開けます。
  4. シュナイダー膜の剥離: 上顎洞の粘膜を少し持ち上げることで、骨補填材を入れる空間を作ります。
  5. 骨補填材の注入: 骨補填材を慎重に空洞に注入し、空間を埋めます。
  6. 窓の閉鎖と縫合: 最後に窓を閉じ、歯肉を縫合します。

この手術を経ることで、インプラント治療後の順調な経過が期待できるようになります。上顎の骨の状態を改善することで、インプラントの安定性が向上し、より良い結果を得ることが可能です。

 

2. サイナスリフトの手術手順と治療の流れ

 

サイナスリフト手術は、専門的な技術を要する複雑な医療手続きですが、適切なプロセスを踏むことでその成功率を高めることができます。ここでは、サイナスリフトの具体的な手術手順を詳しく解説します。

1. 事前診断を実施する

手術の前には、患者の上顎骨の状態を正確に評価するための事前診断が行われます。主に次のような検査が実施されます。 - 口腔内装置レントゲン撮影を通じて、骨の厚さや高さを明確にします。 - CTスキャンを実施し、骨内部の詳細な構造を確認します。 - 噛み合わせの検査により、インプラントの適合性を徹底的に判断します。

2. 麻酔をする

手術中は通常、局所麻酔が使用されますが、患者の不安や状態に応じて静脈内鎮静も選べます。この方法によって、手術中はリラックスした状態を維持できます。

3. 歯肉を切開する

麻酔の効果が出た後、上顎の頬側から歯肉を慎重に切開します。この工程により、インプラントを埋入するための適切なアクセスが確保されます。

4. 骨に窓を開ける

次に、上顎の骨に窓を開ける作業が行われます。この際、シュナイダー膜を損傷しないよう、細心の注意を払います。骨は約1〜3mmの厚さであるため、少しずつ円形に切開していきます。

5. シュナイダー膜を剥離する

開けた窓からシュナイダー膜を丁寧に剥がし、上顎洞の空間に押し上げて新たなスペースを作成します。この過程では、膜の破れを防ぐことが特に重要であり、万が一破れてしまった場合は、適切な修復が求められます。

6. 骨補填材を入れる

空洞部分には、骨補填材を丁寧に注入します。これにより、骨が厚くなり、インプラントのしっかりとした基盤が形成されます。

7. 窓をふさぎ歯肉の縫合をする

骨補填材の注入が終わった後は、開けた窓を代用骨などでしっかりと塞ぎ、歯肉を縫合します。この段階で、インプラント体の埋入を同時に行うことも可能です。

8. 骨の形成を待ちインプラント治療をする

手術が無事に完了した後は、骨がしっかりと形成されるのを待つ必要があります。この期間は通常数ヶ月かかり、CT画像を用いて骨の状態を確認します。骨が確実に強化されたら、本格的なインプラント治療を進めることが可能です。

このように、サイナスリフトは慎重に行われる重要な手術であり、それぞれのステップが骨の健康とインプラントの成功に大きな影響を及ぼします。手術後の適切なアフターケアも不可欠ですので、医師の指示に従って十分な回復を図ることが大切です。

 

3. サイナスリフトのメリット・期待できる効果

 

サイナスリフトは、上顎骨が不足している患者にとって、非常に重要な治療法です。この手術によって得られる主な利点や期待される効果について詳しく見ていきましょう。

上顎の骨を増やす可能性

サイナスリフトの大きな利点は、上顎の骨が不足している状態でもインプラント治療を可能にする点です。病気や遺伝的要因で骨の量が減少している方に特に有効で、この手術によって必要な骨の量を補うことができます。通常、インプラントを適切に埋め込むことが難しい条件でも、サイナスリフトを利用することで、骨補填材を加えることで解決策が見出せるのです。

一度の手術で広範囲に対応

サイナスリフトでは、一般的に一回の手術で広範囲の骨造成を行うことができます。上顎に開けた小さな窓から、必要な量の骨補填材を挿入することで、複数のインプラントを埋入するための十分なスペースを一度に確保できるのです。これにより、複数の歯を失った場合や、長いインプラントが必要な症例でも適切に対応することが可能になります。

治療後の経過を安定させる

サイナスリフトを受けることによって、治療後の経過がより安定することが期待されます。骨が不足している状態で無理にインプラントを仮置きすると、インプラントの脱落や上顎洞への影響が生じる可能性があります。しかし、事前に骨造成を行うことで、これらのリスクが大幅に軽減され、安定したインプラント治療を実現できる点が患者にとって最大の利点と言えるでしょう。

シュナイダー膜の確認が可能

サイナスリフトのもう一つの特徴として、手術中にシュナイダー膜を直接確認しながら進められることがあります。この膜が損傷すると感染症や炎症のリスクが高まりますが、視認しながら慎重に処置を進めることで、こうしたリスクを軽減できます。万が一膜が破れてしまった場合でも、迅速かつ適切な対処が可能です。

高度な技術と専門知識が必要

これらの多くの利点を享受するためには、サイナスリフトを専門とする歯科クリニックを受診することが重要です。高い技術と専門知識を持った歯科医師による施術を受けることで、患者は安心して治療を継続できます。そのため、信頼できる専門的なクリニックを選ぶことが成功の鍵となります。

当院では、経験豊富な口腔外科・インプラント専門医が行いますので安心して行えます。

このように、サイナスリフトは数多くの利点と期待される効果を持つ手術であり、上顎骨の不足に悩む患者にとって非常に貴重な治療法であると言えるでしょう。

 

4. 気になる手術後の痛みと腫れについて

 

サイナスリフト手術後には、痛みや腫れが発生することが一般的です。これらの症状は、手術の内容や個人の体質によって異なるものの、事前に理解しておくことで心の準備ができます。

手術後の痛みについて

手術中は麻酔が施されるため、施術時に痛みを感じることはありませんが、麻酔が切れた後には痛みが生じることが多いです。この痛みは通常、以下のような特徴があります。

  • 痛みのピーク: 大体手術後3日目に最も強く感じることが多いです。
  • 痛みの期間: 通常、手術後の痛みは約10日間続く場合がありますが、個々によって異なるため、一概には言えません。
  • 鎮痛剤の使用: 医師から処方された鎮痛剤を指示通りに服用することが重要です。痛みが強い場合は、医師に相談することをお勧めします。
手術後の腫れについて

痛みと同様に、腫れもサイナスリフト手術後に見られる一般的な症状です。腫れは通常、以下のような経過を辿ります。

  • 腫れの蓄積: 手術後数日間は、子供のおたふく風邪のように顔が腫れることがあります。
  • 回復の目安: 一般的に、もし腫れがひどくない場合は数日以内に収まることが多いですが、腫れが長引く場合は感染症の可能性があるため、すぐに医師に相談すべきです。
腫れがひどい場合の対策

腫れが長引く場合や痛みが強い場合、以下の点に注意することが重要です。

  • 医師への相談: 手術を受けた医院での早ければ早いほど良い相談が必要です。特に、痛み止めが効かない場合や、痛みが増す場合は注意が必要です。
  • 冷却療法: 手術直後から腫れを軽減するために、氷や冷たいタオルで腫れた部分を冷やすことが効果的です。ただし、直接肌に氷を当てることは避け、タオルなどで包んでからあてましょう。
注意するべき行動

手術後の痛みや腫れを軽減するためには、術後の過ごし方も大切です。特に控えるべき行動は以下の通りです。

  • 刺激を与える行為: 頻繁なうがいや、硬いものを噛む行為は避けるようにしましょう。
  • うつ伏せに寝ること: この姿勢は、術後の腫れを悪化させる原因となります。仰向けに寝ることを心がけましょう。

サイナスリフト手術後の痛みや腫れは、通常は自然に回復しますが、正しい知識と適切な対策を講じることで、快適に過ごすことが可能です。

 

5. 治療後の注意点と過ごし方のポイント

 

サイナスリフトの手術を受けた後は、術後の経過を順調に進めるために注意が必要です。特に、患部を刺激しないことや、適切な安静を保つことが大切です。ここでは、術後の過ごし方や具体的な注意ポイントを解説します。

体調管理と安静

術後は、体調を崩さないように意識して安静に過ごすことが求められます。具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • 患部を刺激しない
  • 頻繁なうがいや、激しい歯磨きは避ける。
  • 指や舌で患部を触らない。
  • 硬い物やスパイシーな食べ物は控える。
  • アルコールの摂取は避ける。

  • 姿勢に気をつける

  • 特に、うつ伏せに寝ることは避け、仰向けで寝る姿勢を保つようにしましょう。これにより、血流が悪化することを防げます。
薬の服用と管理

医師から処方された痛み止めや抗生物質は、必ず指示通りに服用しましょう。自己判断で中断することは厳禁です。痛みや腫れを軽減するために、以下のポイントを守ってください。

  • 薬の飲み方
  • 服用時間を守り、必要な分だけ服用する。
  • 体調の変化や副作用が気になる場合は、すぐに医師に相談する。
活動の制限

術後は副鼻腔にストレスがかかるような行為を避ける必要があります。以下の活動は特に控えるべきです。

  • 激しい運動や呼吸が激しい行為
  • スポーツやカラオケ、激しい笑いは控えましょう。
  • くしゃみや鼻をかむ行為
  • 鼻を無理にかむことは、圧力がかかり膜が破れる恐れがあるため、優しく行うことが大切です。
その他の注意事項

術後数日間は特に注意が必要です。この期間中は以下の点にも気を付けましょう。

  • 腫れや痛みへの理解
  • 手術後3日程度は痛みがピークに達することがあります。痛みが強い場合は、ただちに医師に相談しましょう。
  • 医療機関への連絡
  • いつもと違う症状が現れる場合は、躊躇せずにクリニックに連絡し、適切なアドバイスを受けることが重要です。

これらのポイントを守り、安心して回復を目指しましょう。サイナスリフトは慎重なケアと注意が必要な手術ですが、正しい過ごし方をすることで、より良い結果を得ることができます。

 

まとめ

サイナスリフトは上顎の骨が不足している患者にとって非常に重要な治療法です。この手術によって得られる多くの利点と期待される効果から、信頼できる専門家に施術を受けることが大切です。術後の痛みや腫れに対しても適切な対処が必要ですが、指示に従って回復に努めることで、安定したインプラント治療を実現できるでしょう。サイナスリフトは高度な技術を要する手術ですが、患者の状態に合わせて丁寧に行われることで、質の高い治療が期待できます。

よくある質問

サイナスリフトの費用はどのくらいですか?

サイナスリフトの治療費用は一般的に150,000円から300,000円程度です。使用する高価な骨補填材のコストや、高度な技術を要する施術の技術料が大きな要因となっています。また、公的医療保険の適用外のため、全額自己負担となります。

サイナスリフト手術後の痛みや腫れはどのように経過しますか?

手術後3日目がピークとなる痛みが約10日間続くことが一般的です。腫れについても、手術直後に子供のおたふく風邪のように顔が腫れますが、数日以内に収まることが多いです。ただし、感染症の可能性がある場合は医師に相談する必要があります。

サイナスリフト手術後の注意点はありますか?

手術後は、患部を刺激しないよう、うがいや硬い食べ物の摂取を控えること、仰向けで寝ることが大切です。また、医師から処方された薬は指示通りに服用し、激しい運動やくしゃみなどは避ける必要があります。症状に変化があれば、すぐに医師に相談しましょう。

サイナスリフトにはどのようなメリットがあるのですか?

サイナスリフトの大きなメリットは、上顎の骨が不足している状態でもインプラント治療が可能になることです。一度の手術で広範囲の骨造成ができ、治療後の経過も安定します。また、手術中にシュナイダー膜の状態を確認できるのも特徴の一つです。

この記事を監修した人
山崎 英彦

札幌 歯周病・予防歯科 院長
歯周病治療および予防歯科を重視し、口腔の健康を目標とした治療を心がけています。

  • 日本歯周病学会指導医
  • 日本臨床歯周病学会指導医
  • 日本糖尿病学会協力歯科医
  • 日本歯周病学会認定研修施設

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