気付かないうちに進行しています
~歯周病~
歯周病は国民病 30代以上の3人に2人が歯周病に 知らず知らずに症状が進行
歯周病は高齢者がかかる病気のイメージがあるかもしれません。しかし歯周病の有病率について年代別に見ると、30代から60代にかけての有病率が高く、30代以上では、3人に2人の歯周組織に所見が見られます。年代が上がるに従って、症状が進行した人の割合が増加。対象となる歯を喪失していく70代ごろまで、その傾向は続きます。
歯周病は、初期の段階では自覚症状があまりなく、自分でチェックするのも難しいため、自分が歯周病であると気づかない人も多くいます。知らず知らずのうちに罹患して、進行していくところが、歯周病のこわいところなのです。
日本の成人が歯を失う原因の第1位は歯周病。「歯ぐきが腫れている」「ブラッシングの際に出血することがある」「歯がグラつく」などの症状に気づきましたら、札幌歯周病・予防歯科にご相談ください。日本歯周病学会および日本臨床歯周病学会の歯周病専門医・指導医が対応します。
歯周病とは
歯周病とむし歯(う蝕)は歯科の2大疾患といわれており、成人期において歯を失う原因の多くは、歯周病もしくはむし歯によるものです。
歯周病とは、歯と歯ぐき(歯肉)の隙間(歯周ポケット)から侵入した細菌が、歯肉に炎症を引き起こした状態(歯肉炎)、それに加えて歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまう状態(歯周炎)を合わせて、歯周病といいます。
細菌の作り出す酸によって歯が溶かされて、歯に穴があく病気がむし歯で、歯周病はむし歯とは大きく異なる病気です。
歯周病の原因
歯周病には、歯周病原菌といわれる細菌が関わっていると考えられています。歯みがきが十分でないと、歯垢(プラーク)が歯と歯肉の境目に増えていきます。プラークの中には、1mgあたり1億個以上もの細菌が含まれます。細菌が産生する毒素によって、歯肉が腫れたり出血しやすくなったりします。この状態から進行していくと、歯肉が炎症によってどんどん腫脹し、歯周ポケットが深くなります。深くなった歯肉ポケット(歯肉溝)の中は歯周病の病原菌の繁殖しやすい酸素の少ない状態であるため、歯周病原菌の繁殖はさらに進むことになります。また、プラークの中の細菌などは唾液に含まれるカルシウムやリン酸と結合して、歯石という軽石のような硬い物質として歯の表面に付着します。細菌はこの歯石を足がかりにして、さらにポケットの奥深くへと進行していきます。進行していくと、歯周病原菌の毒素は歯を支える歯槽骨を溶かしていき、歯がグラグラしてきたり、歯肉が下がってきたり、歯が抜けてしまったりします。
歯周病の特徴
歯周病の直接の原因は、プラークに含まれる細菌です。従って、歯周病は歯みがきのしかたが悪い方に起こりやすくなります。また、喫煙者は非喫煙者と比較し歯周病に3倍以上罹りやすいといわれており、糖尿病の方も歯周病が進行しやすいことが知られています。その他に金属やプラスチック製のかぶせものやつめものと歯の間に段差や隙間があるとプラークが付着しやすくなり、歯周病を悪化させる原因の1つとなっています。
プラークコントロールが成功のカギ
歯周病治療後、ご自身でのお口の中のケア(プラークコントロール)が非常に重要です。なぜなら、ご自身のプラークコントロールが不十分な場合、歯周病治療を行っても高い確率で再発することが報告されているからです。
治療以上に大切な、治療後のメンテナンス(サポーティブペリオドンタルセラピー)
むし歯・歯周病の原因となる細菌の数は、治療後3〜6ヶ月で徐々に元の状態に戻ってきてしまいます。このため、3〜6ヶ月に一度は定期検診を行い、適切なケアを行う事で良好なお口の状態を保つことが必要です。
定期検診では、歯周病の進んでいる部位の重点的クリーニングやむし歯の早期発見、歯ブラシで落としきれない細菌の除去などを行います。
定期検診をまったく受けない方と比べると歯の残存率が大きく変わることが様々な研究で証明されています。
スウェーデンやアメリカなどの予防歯科先進国では、「病気にならないために歯科医院へ通う」という考え方が広く浸透しています。そのため多くの方が「メンテナンス」を目的に歯科医院へ通われています。スウェーデンとアメリカ、そして日本で定期メンテナンスを受けている方の割合を比べてみると、スウェーデンが約90%、アメリカが約80%であるのに対して、日本はわずか約2%です。その結果、80歳以上の方で残っている歯の本数(残存歯数)はスウェーデンが約20本、アメリカが約17本であるのに対して、日本は約8本と大きな差が生まれています。
このことからも、歯の健康を守るために、そしていつまでもご自分の歯でものを噛み続けるために、いかに歯科医院での定期メンテナンスが重要であるかがおわかり頂けるかと思います。
歯周病セルフチェック
ごく初期段階では自覚症状に気づきにくいので、歯周病は静かに進行していきます。あなたは大丈夫ですか? かんたんセルフチェックを受けてみてください。ひとつでも当てはまる場合は、歯周病が疑われます。またチェックの数が多ければ多いほど、悪化してしまっている可能性が高くなりますので、なるべく早く診察を受けましょう。
歯周病のチェック
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする
- ブラッシングのときに出血することがある
- 歯ぐきが腫れている
- 歯ぐきが下がり歯が長くなったように見える
- 硬い物が食べにくい
- 口臭が気になる
- 歯ぐきから膿が出る
- 歯が浮いているように感じる
- 歯がグラつく
歯周病の進行段階
軽度歯周病 |
歯肉が腫れている歯肉炎や歯を支える歯周組織にまで炎症がおよんでいる軽度歯周炎の状態です。歯ぐきが赤く腫れ、ブラッシング時に出血することがあります。 |
中等度歯周病 |
歯を支える顎の骨が溶け始めて歯がグラつきだします。歯ぐきの腫れや出血のほか膿が出ることがあり、口臭も気になりだします。 |
重度歯周病 |
歯を支える顎の骨のほとんどが溶かされた状態です。歯ぐきが下がり歯が長くなったように見えます。このままでは歯が抜け落ちることにつながります。 |
歯周病の検査方法
歯周ポケット検査
歯周病は進行するにつれ歯と歯ぐきの溝が深くなり歯周ポケットを形成するようになります。歯周ポケット検査では歯周ポケットの深さを測り、歯周病の進行度合いをチェックします。
歯の動揺度検査
歯周病が進行すると歯を支える顎の骨が溶かされていきます。そのため進行するにつれ歯が動きます。歯がどの向きにどのくらいグラつくかを調べ、進行度合いを把握します。
レントゲン検査
レントゲン検査を行うと歯を支える顎の骨の状態を画像の濃淡によって確認できます。顎の骨が溶かされている部位は薄く、残っている部位は白く写ります。
細菌検査
必要により、唾液やプラークの中の細菌を調べて歯周病の原因菌の種類や量を測定します。原因がはっきりすれば適切な治療につなげることができます。
歯周病の治療法
歯肉炎・軽度歯周炎の治療
スケーリング |
歯面に付着したプラークや歯石をスケーラーや超音波スケーラーで除去します。 |
中等度~重度歯周病の治療
スケーリング・ルートプレーニング SRP |
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スケーリング・ルートプレーニング(SRP)は、歯ぐきと歯を支える骨が炎症を起こして感染する状態である歯周炎を治療するために行われる非外科的歯周治療です。歯と歯根から歯垢や歯石沈着物を除去するだけでなく、歯根の表面を滑らかにして歯肉が再付着し、細菌のさらなる蓄積を防ぐことが目的となります。通常、重症度に応じて複数回必要になる場合があります。 SRP は歯周治療におけるもっとも重要な基本治療で、口腔の健康を維持し、歯の喪失を防ぐ上で重要な役割を果たします。 |
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フラップ手術 |
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歯周病は、歯周炎が進行し、歯肉と歯根の間にできる歯周ポケットに細菌が繁殖することで、歯根周囲の骨が破壊される病気です。そのため、歯周ポケットを清掃するために歯周病治療のフラップ手術が行われます。 フラップ手術は、一般的に局所麻酔下で行われます。 まず、歯肉を切開して、歯根面を露出します。その後、歯根面を清掃、滑沢にし歯肉を元の位置に戻し、縫合します。手術後、縫合部分には抗生物質を塗布する場合があります。 フラップ手術によって歯周ポケットが浅くなることで、歯石や細菌が溜まりにくくなり、歯周炎の進行を防ぐことができます。また、歯周炎が進行することによって失われた歯肉や骨が再生する可能性あります。 手術後は、一定期間の経過観察が必要です。 定期的なメンテナンスが必要で、歯周ポケット内に歯石や菌が付着しないように、適切なケアを行うことが重要です。 |
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レーザー治療 |
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レーザー治療は一般的に歯ぐきの炎症や歯周ポケットの除菌が可能です。従来の治療法と比較し痛みや出血が少なく、治療後の回復が早いことが特徴です。また、レーザーは細菌を死滅させるため、抗生物質の使用が減少することができます。 レーザー治療の具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
レーザー治療は、歯周病治療の中でも比較的新しい方法の1つです。副作用や疼痛がないために、当院では積極的導入しております。 |
歯周組織再生療法
リグロス、エムドゲイン |
歯周組織再生療法は、歯周病により失われた歯周組織(歯肉・セメント質・歯根膜・歯槽骨)を再生させる目的で行われます。手術を成功させるために重要なことは、術前に正確な診査を行い、歯周基本治療によって症状が安定しなかった病変が再生療法の適応症であるかどうかを見極めることです。口腔衛生状態が不良である場合や喫煙は、歯周組織の創傷治癒を遅延させ、その結果手術の成功率を低下させてしまうため、手術前と手術後の徹底したプラークコントロールや禁煙が強く推奨されます。 手術は歯肉を切開し、明視下でプラークや歯石、炎症性の組織を除去します。その後、骨欠損に種々の歯周組織再生材料を適用し、縫合します。手術時間は約1時間30分-2時間です。通常、手術日の約2週間後に抜糸をします。 エムドゲイン® リグロス® |
歯周病専門医・指導医とは
当院院長は日本歯周病学会および日本臨床歯周病学会の歯周病専門医・指導医です。歯周病に関する専門的な知識があり技量を有する歯科医師が専門医試験に合格することで認定を受けます。安心の歯周病治療をご提供していますので、お気軽にご相談ください。
日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会のなかで、「高度な専門知識と技術をもった歯科医師の養成および歯科公衆衛生の向上を図るため」に制定されたのが歯周病認定医、専門医、指導医という制度です。
認定医 |
3年間研修施設で研修して、基本的な歯周治療の知識と技量をマスターした上で認定医試験に合格した歯周病学会員 |
専門医 |
5年間あるいは認定医取得後2年間研修施設で研修して、専門的な歯周治療の知識と技量をマスターした上で専門医試験に合格した歯周病学会員 |
指導医 |
専門医取得後7年間学会および地域での指導的な研修をし、指導医試験に合格した歯周病学会員 |
日本歯周病学会では、学会に所属後5年以上経過すると専門医の受験資格が得られます。専門医になってからさらに7年経過すると指導医の受験資格が得られる様になります。
指導医は、認定医や専門医を育てる立場にあり、より厳しく歯科治療技術や学術的要求をクリアする必用があります。指導医となるには、専門医を取得してから更に7年以上の歯周治療経験、学会への積極的参加と発表、地域医療への貢献、指導医にふさわしい症例報告、日本歯周病学会での試験に合格することが必須となっています。
日本の歯科医師人口は、現在10万人を越えています。(平成30年厚生労働省調べ)日本歯周病学会専門医の数は約1100名ですから、全国の歯科医師の約1.1%です。指導医の数は約300名ですから、全国の歯科医師の約0.3%です。(平成27年厚生労働省調べ)
日本歯周病学会は、歯周病を克服することにより自分の歯を1本でも多く残すことを目的に 1957年に設立された学術団体です。会員総数は2021年5月31日現在で11,907名を数えます。
日本臨床歯周病学会は1983年に「臨床歯周病談話会」としてスタートし、歯周治療の研鑽を通じて歯科臨床の向上に努め、もって国民の健康、福祉の増進に寄与することを目的としている学会です。
歯周病指導医・専門医の資格は維持のために生涯、新しい技術や知識を研鑽しなくてはなりません。
患者様には、治療に対する高度な技術、豊富な知識、経験をもった歯周病専門医なら安心して治療を受けられます。
歯周病指導医・専門医による、重度歯周病の治療
当院は、重度歯周病の治療に専門的な知識や技術を持つ日本歯周病学会および日本臨床歯周病学会の指導医、専門医が対応しており、患者様の口腔内の健康を守るための治療を提供しております。
当院では下記のような悩みをお持ちの患者さんが数多く来院されます。
- できる限り自分の歯で食事が取りたい
- 定期的に歯医者へ通っているのに、徐々に抜歯され、歯の本数が少なくなってきてしまった
- 定期的に歯医者へ通っているのに、急に抜歯してインプラントを勧められた
- 重度歯周病で抜歯を勧められたが、歯周病専門医にも意見を聴いてみたい
- 歯周組織再生療法という骨を再生させる治療法を受けてみたい
重度歯周病は、歯周病の進行が極度に進んだ状態であり、放置すると歯を失うリスクが推測されます。そのため、早期の治療が必要です。当院では、患者様の症状に合わせた最適な治療を提供することで、歯周病の進行を止め、口腔内の健康を守ることができます。
重度歯周病の治療には、歯周病菌を除去するための歯周病治療や、歯肉を切除する歯肉切除術、歯周組織を再生する歯周組織再生療法などがあります。患者様の症状や状態に合わせて、最適な治療法をご提案いたします。
また、定期的な治療後のメンテナンスにも力を入れており、治療後に行う定期的なメンテナンスによって、再発を防ぎ、口腔内の健康を維持することができます。メンテナンスについても、歯周病指導医・専門医および歯科衛生士が丁寧にアドバイスいたしますので、安心して治療していただけます。
歯周病でお困りの方は、まずはお気軽に当院までご相談ください。歯周病指導医・専門医が、患者様の口腔内の状態を丁寧に診断し、最適な治療法によって、患者様の口腔内の健康を守り、快適な生活を送るお手伝いをさせていただきます。
歯周病専門医は、「歯周病で抜歯すべきかどうか」を正確に判断し、お口の中を全体的に治療できるプロフェッショナルです。
一般の歯科医院では行っていない、最新の外科処置も含めて数多くの選択肢から、患者さんに合った治療法を御提案致します。
もちろん、セカンドオピニオンだけの来院も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
国の認定研修施設
全国には、68,023件の歯科医院があります。
1) その中でも、日本歯周病学会専門医研修施設は、181件しかありません。
2) 当院は、その数少ない国の日本歯周病学会専門医研修施設の一つです。
ほとんどの認定施設が大学病院の歯周病科などである中、当院のように個人の歯科医院が大学病院と同等の評価を獲得し、認可を得られることは稀なことです。厳しい基準の中で選ばれた当院では、一般の歯科医院では対応できないような重度の歯周病治療や抜歯を回避する治療法などを提供することができます。
患者様への最適な治療の為に
当院は、歯周病治療を真摯に向き合ってきた結果、日本歯周病学会および日本臨床歯周病学会専門医研修施設として国から認められています。当院の歯科医師は、常に海外の文献等により最新の知識を深め、技術の取得に励んでいます。歯周病治療は、口を生体の一つの器官と捉えるべきであり、生体や口に影響を及ぼしかねない全身疾患との関連性など、様々な角度から見極め包括的に判断しなければなりません。その為、絶えず知識や技術の習得を怠ることはできません。患者様の真の健康獲得のため、また、歯周病を治したいという想いに確実に応えるため、いかなる場合でも最適な治療をご提供できるよう、日々、研鑽して参ります。
当院が行う歯周病専門外来
札幌 歯周病・予防歯科では、保険診療で行う歯周病治療と専門的な歯周治療を行う自費(保険外診療)による歯周病専門外来を併設しております、
歯周病が進行している方、他院で受診したが、あまり改善が出来ていない方、専門的な治療を受けたい方のために歯周病専門外来を設立しました。
当院に在籍する日本歯周病学会および日本臨床歯周病学会指導医・専門医院長、日本歯周病学会認定衛生士、など専門のプロフェッショナルがチーム医療で対応にあたります。
歯周病専門外来は、重症の歯周病であっても、できるだけ歯周外科は行わない非外科的歯周治療で治します。